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転生料理人の異世界探求記(旧)  作者: しゃむしぇる
第4章

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負の予兆

ブックマークやいいね等とても励みになりますのでよろしくお願いいたします。


「おい、ヒイラギ。なんでキースの洗脳は解除しない?」


 ふと疑問に思ったのか、バイルがそう問いかけてくる。俺はキース以外の騎士の洗脳は解除したが、ある理由があって、彼だけは洗脳を解除していない。


「それには由ちゃんと理由があります。この人達は、そこのキースっていう人の部下なんですよね?」


「あぁ、間違いない。」


「それなら、普段のキースっていう人がどんな人か、よく知ってるはずなんです。」


「……なるほど理解した。つまりは洗脳された状態のキースの姿を見た、彼らの反応を見よう……ということだね?」


 いち早くカムジンが、俺の思惑に気が付いた。


 彼の言うとおり、洗脳によって人というものがどれ程変わるのかを、彼らに見てもらいたいのだ。そうすることによって、国王がいかに非人道的なことをしているのか、わかってもらえるはず。


「そういうことです。」


「なるほど、ようやく理解できた。キースの豹変ぶりを見れば、さぞかしこいつらも驚くだろうよ。」


 そして、バシバシと気絶している騎士の肩をバイルが叩くと……。


「うっ……。」


「お?気が付いたか?」


 その衝撃で一人の兵士が目覚めた。


「ば、バイル様?それにカムジン様にダグラス様まで……。」


「お前、なんでここにいるか…覚えてるか?」


「い、いえ。自分自身、なんでここにいるのか覚えてないのです。」


 やはり記憶が欠けている。だが、洗脳された瞬間の記憶はあるはずだ。


「じゃあ最後に見た光景を思い出せ。なんでもいい。」


「お、王国騎士団全員が陛下に呼び出されて……それから。」


 なんとかそれ以降の記憶も思い出そうとしてくれているが、国王に会ったとき以降の記憶は思い出せないようだ。


「それだけわかりゃ十分だ。まだちょっと休んどけ。」


「お役に立てずすみません。」


 そして問答を終えたバイルがこちらに歩いてきた。


「おい、大変なことになってるかもしれねぇぞ?あいつの話を聞くかぎりだと。王国騎士団全員が陛下に謁見の間に呼び出されてやがる。」


「それはつまり……。」


「あぁ、洗脳された王国騎士団が王都で待ち構えてるかもれねぇ。」


 これはいよいよとんでもないことになってきたな。誰も殺さずに終わらせたかったが……こうなってしまうと、国王の首をとるという方法も候補に挙がってきた。


 予想以上に悪い展開になってきたことに、思わず歯ぎしりするのだった。


この作品に対する感想、意見などなどお待ちしています。こうしたほうがいいんじゃない?とかそういったものは大歓迎です。単に面白くないとかそういった感想は豆腐メンタルの作者が壊れてしまいますので胸の内にとどめていただければ幸いです。

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