一難去って…
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「ふぅ~……。」
シン……と静まり返った空間で、大きく息を吐き出した。ただ、辺りには首がない魔物の死体と、気絶した騎士達が横たわっていて、なんとも物々しい雰囲気となっている。
「あ、あれだけいた騎士と魔物を全部一人で……。」
「改めてとんでもないわ。」
「まったく動きが見えなかったよぉ~。」
ルーカス達が俺のことを唖然とした表情で見ていた。まさか、一人で全てを片付けるとは思わなかったのだろう。
「本当に彼はいったい……バイル殿は何か彼について知らないのですか?」
「さぁな、ちょこっと調べてはみたが……冒険者ランクが銀級ってことしかわかんなかった。」
「あの実力で銀級!?そんなバカな……。」
バイルやダグラス、カムジンまでも目を見開いてこちらを見ている。そんな彼らに、少し微笑みながら問いかけた。
「お怪我はありませんか?」
「「「あるわけないだろっ!!」」」
すると皆一斉にそうツッコミを入れてきた。その反応に苦笑いしていると……。
「あら?ヒイラギもこの変な人間倒したの?」
ランがハウスキットの方から一人、こちらに歩いてきた。
「ラン達も倒したのか?……念のため聞くけど殺してないよな?」
「大丈夫よ~、ちゃんと気絶させて縛ってあるわ。」
「それを聞いて安心したよ。みんなに怪我はないか?」
「それも大丈夫っ。誰一人かすり傷一つついてないわ。」
ラン達も交戦したようだが、話を聞くかぎり誰一人として殺していないし、怪我もなかったようだ。ホッ……安堵のため息を吐き出していると、ダグラスが近づいてきた。
「つかぬこと伺うがそちらの女性は?」
「あ、ワタシ?ワタシはヒイラギのつm……。」
ランがそう言いかけた時、彼女の肩にポン…と手がおかれた。
「つ……何だってぇ?アタイにもわかるように教えてほしいねぇ~?」
「げっ、ドーナ……。さっきまで中にいたのにっ。」
「ちょっとあっちで話をしようじゃないか。」
「あとちょっとだったのにぃ~!!」
そしてズルズルと、ランはドーナに引きずられていった。
「彼女達は、旅の同行者です。」
「なるほど、さっきお前の言っていたことがよ~くわかった。」
「料理を作るべき人…とは彼女達のことですね?」
「まぁ、そういうことです。」
バイル達はニヤリと笑いながら言った。恥ずかしさをまぎらわすため、そそくさと気絶させた人達を一ヶ所に集め、洗脳を解いていく。
ある一人を除いて……。
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