スカウト
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まったく速度を落とすことなく走り続けていたおかげもあって、なんとか夜になる前に中継地点の街にたどり着くことができた。
「もう馬がクタクタだな。まぁこれだけとばしてきたから無理もないか、ゆっくり休めよ。」
街の宿屋に常設してある馬小屋に馬を入れて、バイルが自らの馬の顔を撫でていた。
「このペースを落とさずに王都に向かえば、後二日ほどでつきそうですね。」
「あぁ、そうだな。」
カムジンとバイルが話しているなか、こちらにダグラスが歩み寄ってきた。
「先の昼食、あれはなんという料理なんだ?」
「あれは玉子サンドっていう軽食です。お口に合いましたか?」
「合ったもなにも、たかが卵とパンだけであれほど美味い物を作れるとは驚いた。」
さぞかし美味しかったのか、ダグラスが思い出すような仕草をしながら言った。すると話を聞いていたバイルとカムジンもこちらに向かってきた。
「おいヒイラギ、お前この革命が終わったら屋敷に料理人として仕えないか?お前の料理はいたく気に入ったぞ。」
「バイル殿抜け駆けはよろしくありませんね。どうでしょう、私の屋敷に来ませんか?バイル殿より金は上乗せしますよ?」
「カムジンッ!!貴様ッ……ならばカムジンの更に倍の金を出そう、それならどうだ!!」
バチバチとバイルとカムジンの間で、激しく火花が散っている。この国に住んでいる料理人からしたら、とても光栄なお誘いだが……。
「大変心苦しいのですが、お断りさせていただきます。」
「「なにッ!?」」
先程までバチバチとにらみあっていた二人が、同時に俺の方を振り向いた。
「俺にはもう既に料理を食べてくれる人がいるので。」
この二人の誘いを受けてしまったら、ドーナ達に料理を作ることができなくなってしまう。
「お詫びと言ってはなんですが、良ければ今宵の夜食は俺が作らせてもらいます。それで勘弁してもらえませんか?」
ついでにシンの紹介もしないといけないしな。ちょうどいい機会だ。
「……そうか、それなら無理に引き込むのは苦だな。」
「そのようですね、ではその代わりにお詫びの夕食の誘いには、是非とも最高のものを所望しますよ。」
「えぇ、もちろんそのつもりです。では、また後程……。」
彼らに街の外で拠点を作って待っていると伝えて、俺は街の外に出ると、手頃な場所にハウスキットを展開した。
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