2つの寿司の食べ比べ
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揃っていただきます……と言ったのは良いが、皆どうやって食べるのかわからないため、寿司に手が出せていない。
まず先に俺が、用意していた小皿に醤油を垂らして、ブラックファッティの赤身の部分の寿司を一貫……醤油をつけて口に運んだ。
「ん~っ!!美味しいっ!!もちっとしてて、旨味の強い赤身だ。」
柔らかすぎず、硬すぎず……美味しいと思える完璧な食感に、噛めば噛むほど溢れ出す濃厚な旨味と甘さ……。ブラックファッティが、この街で最も美味しいと言われる理由が、これを一つ食べただけでよくわかった。
ブラックファッティの美味しさに舌鼓を打っていると、食べ方を覚えたみんなも寿司を口に運んでいた。
「ふみゃあぁ~……これ美味し〜いっ!!」
「うん…もっと…もっとたべるっ!」
ブラックファッティのお寿司を食べて、ほっぺたが落ちそうになっているシアとメリッサは、次々にトロや中トロ等など……いろんなお寿司に手を伸ばしていた。
それは他のみんなも同様で……。
「んっ!!これすごいわ……舌の上で溶けちゃった。」
「舌に乗せただけで、じゅわ……って甘い脂が溶けてくるよ!!」
「二人が今食べたのは、大トロの部分だな。脂がのってて、一番美味しいって言われてるとこだ。」
ドーナとランの二人は、大トロの寿司を食べて舌の上で甘くとろける食感に驚いていた。
「これ……元は一匹の魚だったのに、こんなに味が違うんだね。」
「まぁ、今回のやつは魚体が大きかったからな。こういった大きな魚は、部位によっていろんな味が楽しめるのが魅力の一つだ。」
ポツリと呟いたフレイにそう話していると、その隣でリリンがバクバクとルビーブリムの寿司を頬張っていた。
「こっちの赤いやつも美味しいけど、こっちの白い身の方もとっても美味しいわね。赤い方にはない、香ばしい香りに食感もコリコリしてて……。私はこっちの方が好きかも。」
リリンはどうやらルビーブリムの方を気に入ったらしい。
「どっちも美味しいっす!!まだまだ食べるっす!!」
「うむ!!我もいくらでも食えるぞっ!!」
グレイスは前足で器用に寿司を持ち上げて、凄まじいペースで食べ進めていた。
先程ステーキを所望していたシンも、寿司をいたく気に入ってくれたらしい、グレイスに負けないスピードでどんどん食べている。
「ふふ♪やっぱり日本の料理は美味しいですね、ヒイラギさん。」
そう言ってイリスはニッコリと笑う。
「あいにく、本物の寿司職人が握る寿司には遠く及ばないが……まぁ、雰囲気は楽しめてるか?」
「えぇ、とっても!!」
そうか、楽しめてるならよかった。いつか本物の寿司職人に負けないぐらいの寿司を握れるようになりたいが、何十年という時間がかかりそうだな。
だが、日本にいたときと違って、時間に追われてる訳じゃないし、少しずつ技術を培っていけばいつかは……。
「あら?ヒイラギ、お寿司食べないの?じゃあ私がもらってあげるわ。」
「あ、リリンそれは……。」
ふと物思いに耽っていると、自分用に取り分けていた寿司の一つをリリンが持ち去っていく。そして制止の声も聞かず、それを口へと運んでしまった。
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