デート終了
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早速エノールは仕事に取り掛かり始めた。
「それじゃ早速、嬢さんの腕の採寸を測らしてもらえるか?」
籠手は剣や槍などとは違い、どちらかと言えば防具に近い。手にしっかりと馴染ませるために、先ずは採寸から始めるようだ。
「はいよ、これでいいかい?」
ドーナは肘まで腕をまくりエノールに見せた。
「おう!!ちょっと失礼するぜ…。」
エノールはメジャーのような物で彼女の腕の長さ、太さだけでなく指一つ一つの長さと太さもしっかりと測っていった。
「ようし、もう大丈夫だ。ありがとさん、次はこいつの皮を剥がさねぇとな。」
彼が皮を剥ぐ作業を始める前に、一つ聞いておかなければいけないことがあったのを思い出した。
「あぁ、そうだ。一つ聞きたかったんだが…。」
「ん?何だ?」
「こいつの肉ってうまいのか?」
気になっていたのはロックリザードの味だ。後で調理して食べようと思っていたのだが、念のためどんな味か聞いておきたい。
「こいつの肉?あぁ~…味自体は悪かねぇが、筋っぽくて食えたモンじゃねぇぞ?」
「そうか、なら大丈夫だ。皮を剥いだら貰ってもいいか?」
「お、おぅ分かったぜ。」
少し驚きながらも、エノールは手慣れた手つきで二頭のロックリザードの皮を剥いでいった。そしてすっかり丸裸になったロックリザードを、彼はこちらに差し出してきた。
「ほらよ、もういいぜ。」
「助かる。」
キレイに皮を剥がされたロックリザードをバッグの中にしまう。
「そいじゃあ後は任してくんな!!きっちり仕上げてやるぜ。」
「あぁ、頼む。ちなみに、どのぐらいでできそうだ?」
「悪いがそればっかりはわからねぇ。」
少しエノールはうつむきながら言った。まぁそうか、初めて扱う鉱石だ。一から扱い方ってやつを模索していかないといけないだろうからな。
「わかった。何か連絡があれば王宮に伝えてくれ。」
「おう!!期待して待っててくんな!!」
そして俺とドーナはエノールの工房を後にした。ふと空を見上げると、キレイな夕焼け空だった。明日も晴れそうだな。
そんなことを呑気に考えていると、俺の手を握るドーナの力が少し強くなる。
「あっ…あのさ、ヒイラギ。」
「ん?どうした?」
「きょ、今日はありがとう。アタイと…で、デートしてくれて。」
「楽しかったか?」
「うぇっ!?う、うん…とっても。」
「そっか、なら安心した。」
またこういう時間を作れればいいな。
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