寝室に忍び寄る影
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「さて、そろそろ寝るとするか。」
背伸びをしながらごろんとベッドに横になった。その瞬間猛烈な睡魔が襲ってくる。
「くあぁぁ……。」
「あっ!!お兄さんあくびしてる~。」
シアにあくびをしている姿をみられてしまった。
「あぁ、今日は少し疲れたみたいだ。」
少し目をつぶるとすぐに意識が微睡みの中へ堕ちていった。
◇
ヒイラギが寝息をたてはじめてから一時間ほど経ったある時、部屋の扉が音もなく開いていく。すると暗闇から二人の女性が部屋の中に侵入した。
「ふふっ、ヒイラギったらぐっすりね。」
「流石に疲れてたみたいだねぇ。」
ヒイラギを起こさないように小さな声で二人は言った。そして足音をたてないように、こそこそと彼が眠るベッドに近づき…ベッドの脇からひょこっと顔を出した二人は驚愕する。
「「っ!?」」
おかしい、先程まで眠っていたはずのヒイラギがいない。お互いに顔を見合わせていると、ポン…と肩に手が置かれた。
恐る恐る後ろを向くと……。
「二人とも、何してるんだ?」
先程まで寝息をたてていたはずのヒイラギがいた。
「あ、あはは……お、おはようヒイラギ。」
「もしかして最初から起きてたのかい?」
「いや、たまたまこの時間に目が覚めただけだ。」
要するにただただタイミングが悪かっただけだ。
「それで?二人してどうしたんだ?」
「じ、実はね…。」
二人から話を聞くと、どうやら自室の大きなベッドで一人で寝ると何やら落ち着かないらしい。それでこっそり俺のベッドに忍び込もうとしたら運悪く見つかった……と。
「だ、だから一緒に寝ちゃダメかしら?」
まぁ寝られないというのは生活に支障をきたす。こうなってしまったのも、みんなと暮らし始めたときに人数分の布団を購入しなかった俺の責任か。
「まぁいいぞ。その代わり今度フレイに吸血されてるときに覗いたら……わかってるな?」
その言葉に二人はピキッと固まった。
「ひ、ヒイラギには敵わないねぇ。」
「全くよ。」
なんやかんやあったが、結局みんなで寄り添って寝ることになった。これも最初の方こそドキドキが止まらなかったが、今ではだいぶ慣れてきた。
慣れとは恐ろしいものだな。そう思いながら睡魔に身を任せ微睡みの中に堕ちていった。
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