獣人族の王
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ドンドンと強くハウスキットの扉をノックする音で俺は目覚めた。朝日がさしているためもう朝なのは間違いない。
しかし、こんなに朝早くに何の用だろうか…あくびをかみ殺しながら扉を開けると、そこにはベルグがいた。
「いったいどうしたんだ?こんな朝早くに…。」
「おう、すまねぇな。いや実は今な……。」
ベルグが事情を説明しようとすると、その後ろから一人の獅子の姿の獣人が姿を現した。
「ベルグよ、この人間が例の恩人殿か?」
「し、シン様っ……はっ、その通りです。」
ベルグはシンという獣人の横に跪きそう述べた。兵士達の指揮官だったベルグが頭を下げ、跪く人物……つまりは獣人族のなかでもトップクラスに偉い人物なのだろう。
すると突然シンという名の獅子の獣人は、俺にバッと頭を下げた。その姿にベルグはとても驚き戸惑っていた。
「人間の恩人殿、此度は助かった。皆から礼は言われたとは思うが、我からも受け取ってくれ。」
「い、いやそんなたいした事じゃないから。取りあえず頭を上げてくれ。」
「……ふむ、ベルグの言うとおり伝承に伝わる人間の印象とはまるで違う。」
頭を上げたシンという獣人はまじまじと俺の顔を見てきた。俺より身長がかなり高いため少し怖い。猛獣に目の前で品定めされているかのようだ。
「あ~っと、ベルグ…この人は?」
俺は目線だけをベルグに送りそう聞いた。
「その御方はな……。」
「おっとベルグよ、その質問には我が答えた方が早かろう。」
ベルグが答えようとしていたのを遮り、シンという獣人は名乗りを上げた。
「我はこの国の王、名をシンという。差支えがなければそなたの名も聞いておきたい。いつまでも人間の恩人殿では呼びにくくて敵わぬ。」
突然の獣人族の国王の来訪に、荒ぶる心を静めながら取りあえず俺も自己紹介をすることにした。
「俺はヒイラギ……ヒイラギ クレハです。」
「おぉ、ヒイラギ殿というのか。それにしても、ずいぶん我らの言葉が達者なようだ。」
流石に気が付いたか、ベルグ達は全然気がつかなかったんだが。それほど俺を観察しているということなのだろうな。
表面上はフレンドリーに接してきてはいるが、かなり警戒はしているようだ。
「そういう便利なスキルを持っているんですよ。」
隠すほどでもないスキルだからな、教えておいても構わない。嘘をついて変に疑われるのも嫌だしな。
「まぁ、取りあえず中へどうぞ?話はそこで。」
「うむそうしよう。」
そして彼らを中に招き入れシンと話をすることにした。
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