お酒を飲んだあとは…
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お酒を交えた楽しい夕食を終えて、ソファーに深く腰掛けてくつろいでいると、何人かにある異変が起こり始めた。
「ねぇヒイラギ~、もっとこっちくっついてよ~。」
すっかり顔が赤くなったランが、ぐいぐいっと体を密着させてくる。ランはあの梅酒のソーダ割を一杯しか飲んでいないが、どうやらあまり酒には強くなかったらしい。
「ちょっとラン!!そんなにくっついたらヒイラギが苦しくなるだろ!!」
そう言ってドーナはランから俺のことを引っぺがすと、今度は彼女が俺に密着してきたのだ。
ドーナの顔もほんのりと赤くなっている……彼女も酔いが回ってるらしい。
そして酔っ払い二人に絡まれながら、残っているウイスキーを飲んでしまおうとグラスに手を伸ばしたが……おかしなことに先程までグラスがあったところにグラスがない。
嫌な予感がして俺の膝の上に座っていたシアに目を落としてみると……。
「んくっんくっ、ぷはぁ~!!お兄しゃぁん、こりぇしゅごい美味しぃ~♪」
「なっ、シアっ!?」
すぐにシアからグラスを取り上げると、体に異常はないか問いかける。
「し、シア、体はなんともないか?苦しくなったりしてないか?」
「ん~?えへへぇ~、にゃんともにゃいよぉ~?でもにゃんだか…と~ってもぽかぽかしてきたぁ!!」
すっかり酔っぱらってしまったようで、呂律が回っていない。
今回はたまたま大丈夫だっただけかもしれない……今度からお酒を飲むときは気を付けないと。そう心に誓っていると、不意に顎をくいっと引き寄せられる。
「ちょっと~シアばっかり見ないでこっちもちゃんと見てよ~。」
突然ランの顔が間近に迫る。思わず恥ずかしくなって目をそらそうとするが、それすらも許されない。
「ダメ、ちゃんとワタシの目を見て。」
「うぅ、な、何がしたいんだ?」
別の意味で顔を真っ赤にしてしまうと、こちらの表情を見てランはクスリと笑う。
「あら?あらあら~顔真っ赤にしちゃって~♪そういうとこ可愛いわよ。」
「ま、満足したんならやめてく……れっ!?」
今度はドーナに顔を動かされ、彼女と目と目を合わせる形になってしまう。
「ど、ドーナ?」
「アタイにも、そういう顔見せてくれよ。」
少し嫉妬したように彼女は言った。そして満足したのかにこりと笑うと、目をつぶりこちらにもたれかかってきた。
「ん、寝ちゃったか。」
チラリとランのほうに視線を向けると、ランもいつの間にかすやすやと寝息を立てている。膝の上にいたシアも、グレイスを抱いて眠ってしまっていた。
「イリス……って、イリスもか。」
漏れなく、イリスもテーブルに突っ伏して寝ている。女神も酔っぱらうんだな。
みんなが風邪をひかないように毛布をかけてあげると、俺は少しの間酔いを覚ますためコーヒーを一杯淹れるのだった。
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