ツンドライサで感謝の宴
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宴会の料理を村人たちが用意してくれたテーブルに並べていると、何やら配膳をしているイリスの周りに見覚えのある人物が2名見えた。
「……なんでメルとゼラの2人がイリスにくっついてるんだ?そもそもなんで外に出てきてるんだ?」
イリスの後ろをくっついて歩いていたのは、驚くべきことに水の女神メルと季節の女神ゼラだったのだ。
「あ、お邪魔してるわよヒイラギ君。」
「ご飯食べに来たよ~。」
「今日も捧げものは別でちゃんと作ってあったのに……。」
「それはそれで後でいただくわ~。今日はイリスと話したいことがあったから、こうやって姿を顕現させてるってわけ。これも神華樹の花のおかげね。」
メルとゼラの2人の頭には神華樹の花が髪飾りのように添えてあった。
「ちなみに私たちの姿はあなた以外の他の人間には見えてないから、その点は安心していいわ。」
「い、いや、そもそも下界に現れてること自体が問題だと思うんだが……。」
「細かいことは気にしな~い。特に私たちが姿を顕現させても、力を使わなきゃ下界に影響なんてな~いし。」
まったくこちらの話を聞き入れるつもりはないらしい。こうなるのはイリスも分かっていたらしく、彼女は苦笑いを浮かべながら言った。
「ヒイラギさん、メルちゃんたちのことは私に一先ず任せてください。本当に私と話すついでにご飯を食べに来ただけみたいなので……多分大丈夫です。」
「まぁ、イリスがそう言うなら任せるよ。」
そうこうしている間にも、すべてのテーブルに料理の配膳が終わり、今にも宴会が始まろうとしている。村長のエダが、この村で作っているという酒を手に俺のもとへと歩み寄ってきたのだ。
「宴会の始まりを宣言していただけますか?」
「俺でいいんですか?」
「えぇもちろん、主催者は私じゃありませんから。」
そして酒を受け取った俺は、宴会場の中心に連れていかれ、宴会の乾杯の音頭を任されてしまった。
「えっと、余所者の俺達を温かく受け入れてくれて本当にありがとうございました。心ばかりのお礼に美味しい料理をたくさん作ったので、たくさん食べてくれると嬉しいです。え~、それじゃあ……乾杯っ!!」
「「「かんぱ~い!!」」」
慣れない乾杯の音頭ながらも、みんな乗ってくれてリカーガレオスの料理を肴に盛大な宴会が始まったのだった。
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