メーケズの誤算とドーナ達の秘策
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ドーナ達が待っている山頂に戻ってくると、何やらメーケズの顔色がずいぶん悪くなっているのが遠目でもわかった。
「ぐ、や、やっと帰ってきたか……。」
「2人ともなんかこいつのこと虐めた?ずいぶん顔色が悪いようだが……。」
「アタイ達はなにもしてないよ。ただ、さっき急に腹が痛いとか言ってるんだよ。」
「ははぁ〜……なるほどな。お前、スノウパンチシュリンプのミソを食べて、その後ユキシモソウも食っただろ?」
「そ、それがどうした。この山にある食料を食っただけだ。」
「お前は詳しく知らなかったかもしれないけど、スノウパンチシュリンプの頭のところに詰まってるミソには毒があった。」
そう教えてやると、メーケズの表情がどんどん悪くなっていく。
「それとお前がここに来るまでに食ったもう一つのユキシモソウにも、なかなか強い毒が含まれてるらしい。」
「ぐぅぅぅ、ゆ、雪山という限界環境なのに、なぜどいつもこいつも毒を持っているんだ。」
「こういう環境だからこそだろ?こういう環境で他の生き物に食われないように、独自の進化を遂げた結果だ。」
そう話している間にも、奴の腹からぎゅるぎゅると腹を下している音が聞こえてくる。
「別に俺達は目的は達成したから、お前はもうトイレに行ってきてもいいぞ?」
「ぐ、そ、そう言って我が用を足す間に襲ってくるつもりだろう?」
「そんな汚いことするわけないだろ。ほら、俺たちの前で盛大な粗相をするか、それとも威厳を守るために目の届かないところに行くか……選べ。」
「く、クソッ!!次に会った時覚えていろよ!!」
そう捨て台詞を残して、奴は腹と尻を押さえながらどこかへとそそくさと去って行ってしまった。
「さ、汚い音が聞こえてくる前に俺達も山を下ろう。」
「ヒイラギ、さっき目的は達成したって言ってたけど、ゴーダバッファローは……。」
「あぁ、確保した。だからもう下山するだけなんだ。」
「ふふ、そうかそうか。では私はこれを使わせてもらおうか。」
すると師匠は自分の足にスノーボードのような形に削った木を装着した。
「師匠、それは?」
「ツンドライサの木彫りが趣味の住人と仲良くなってな。作ってもらったんだ。」
それを装着し終えると、師匠はこちらに行ってくると合図を送り、勢いよくそれで下へと滑っていってしまった。
「さ、ドーナ俺達も……。」
そしてドーナの方を見ると、いつの間にか彼女も師匠と同じものを装備していた。
「じゃ、じゃあ、アタイも行ってくるよ。」
「ありゃりゃ、2人してそんな秘策を用意してたのか。」
軽快に滑っていってしまった2人の後を、龍化で翼を生やして低空飛行でついて行くと、途中の雪道で2人そろって頭から突っ込んでいる姿を発見し、思わず苦笑いを浮かべてしまったのだった。
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