雪崩にご用心
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メーケズという馬の化け物が、こちらへと向かってやる気満々に槍を構えているところ悪いのだが……。
「お前、あんまり雪山には詳しくないな?」
「何のことだ。」
「ま、攻撃しないから上を見てみろよ。」
そして奴が警戒しながら上を見上げると……。
「なっ!?」
奴の眼前には大量の雪が押し寄せていた。そしてもちろん避けれるはずもなく、奴は小さな規模の雪崩に押しつぶされてしまう。
俺はその小規模の雪崩を空に飛んで躱し、雪崩が収まった所でゆっくりと奴が埋まった場所に着地する。
「おーい、生きてるか?」
そう雪の下に向かって問いかけると、くぐもってはいるが、元気な声が返ってくる。
「き、貴様っ!!攻撃しないと言っていただろう!!」
「俺は攻撃してないぞ?お前自身が招いた結果だ。」
「どういうことだっ!!」
「お前が派手に落ちてくるから、その振動で軽い雪崩が起きたんだよ。」
「雪崩だとぉッ!?馬鹿なこんな簡単に起きるものなのか!?」
雪の下でメーケズが喚いていると、雪崩の音を聞きつけたドーナ達がこちらに走ってくる。
「ヒイラギっ、大丈夫かい!?」
「こっちは全然大丈夫だ。」
そしてこちらに駆けつけてきたドーナ達に、この雪の下に例の足跡の主が埋まっているということを伝えると、2人は特に驚く様子もなく、呆れたように足元に視線を向けた。
「自分が起こした揺れで起きた雪崩に飲まれるとは……ポンコツか?」
「それ、師匠は言えないですよ。」
「うるさい。」
ツッコミをいれると、眉間を軽いチョップでベシッと叩かれてしまった。
「まぁでも、邪魔がいなくなってゴーダバッファローを捜索しやすくなったねぇ。」
「お、おいお前たちっ!!我のことをこのままにしていくつもりか!?」
「……だって、俺達にお前を助ける理由がないだろ?」
「何故だっ!?我をその手で倒し、この山の食物連鎖の頂点に立ちたいのだろう!?」
「いや、俺たちはただゴーダバッファローを探しに来ただけだから。そういうのには興味ないんだ。」
「うぅ……く、クソッ!!じゃあ何をすれば助けてくれるかっ!?」
やっと俺が待っていた言葉が奴から飛び出した。
「そうだな……今から考えるから30分位待ってくれるかな?」
そう意地悪く言ってやると、雪の下から必死な声が返ってくる。
「そ、その前に凍死するぞ!!もう指先の感覚が無くなってきているんだっ!!」
そして弄りに弄り倒し、俺達の邪魔をしないと約束させてから、俺達は雪に埋もれたメーケズを掘り起こしてやったのだった。
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