石狩鍋の仕込み②
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「ヒイラギ、一応終わったんだけど……見てもらっても良い?」
「あいよ、今行く。」
といってもまぁ、さっきからちょこちょこ見てて、何も失敗が無かったのは分かってるんだけど……。
包丁を置いて、ランの方に歩み寄るとそこには綺麗に下ろされたソードテールサーモンの身があった。
「うんうん、綺麗に下ろせてるぞ。だいぶ上達したな。」
ポンポンと俺はランの頭を撫でた。
「ふふっ、こうやって褒められると癖になっちゃうのよね〜。」
「じゃあその調子であと〜……5匹頼んだ。」
「えぇ!?こ、こんなにやるの!?」
まな板の上に置かれた5匹のソードテールサーモンを見て、ランはギョッと目を見開いていた。
「だって、どこかの誰かさんがとんでもない量食べるからな〜。」
そう言いながらチラッとランの方を見ると、少し申し訳なさそうに彼女は視線をそらした。
「ま、俺ももう野菜とかの仕込みは終わってるから、こっちを手伝うよ。」
ランと一緒に俺もソードテールサーモンを下ろしていく。すると、彼女は俺の手際の良さに目を丸くしていた。
「なんでヒイラギってそんなに速いのかしら……。」
「これも慣れってやつだよ。魚を捌く経験値の積み重ね。毎日一匹魚を捌いてるだけでも、一年後かなり上達するぞ?」
「ヒイラギはそれを何年って積み重ねてるのよね?」
「そうだな。しかも1日1匹だけじゃないぞ。1日に何十匹って数の魚を日本にいたときは捌いてたんだ。」
「そりゃあそうなるわよね……。」
と、話をしている間に5匹のソードテールサーモンを捌き終えてしまった。
「よし、これでお終いだ。」
「あら、もう終っちゃったわ……。」
「話しながらでも上手くやれてるじゃないか。俺が3匹、ランが2匹……上等上等。」
そしてソードテールサーモンの下ろした身を並べて、俺は一つ一つ柵取りしていく。
「で、こうやって骨と身を綺麗に分けた柵を食べやすい大きさに切っていくと。」
「あ、これは簡単ね。ワタシでもできるわ。」
「それじゃ、お願いしようかな。」
「任せて任せて〜。パパっとやっちゃうんだから。」
ランがやる気を見せてくれていることだし、ここは任せて、俺はまた違う調理に移ろう。
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