お魚の匂いに誘われて
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「お兄さん見つけたっ！！」
「ぱぱ…おなかすいた。」
突如として目の前に現れたシアとメリッサの2人を、俺は驚きながらも反射的に受け止めた。すると、俺が今まさに食べようとしていたソードテールサーモンのキャンプ飯を見て、シアとメリッサの2人が目を輝かせる。
「お魚ご飯だ～っ、おいしそ～っ！！」
「いいにおい…おなかとせなかがくっつきそう。」
「し、シアちゃんにメリッサちゃん。ど、どうやってここに来たの？」
突然現れた2人に向かってフレイが率直な質問を投げかけた。
「こっちですっごく美味しそうなお魚の匂いがしたから飛んできたの！！」
「しあちゃんのまほう…いっしゅんでいどうできる。」
「そ、そうなんだ。」
呆気に取られているフレイを他所にシアとメリッサの2人はご飯をせがんでくる。
「一先ず俺の分食べてていいぞ。今追加で作るからな。」
「わーい！！お兄さんありがと～！！いただきま～す！！」
「いただきますっ！」
2人は仲良く分け合って、ソードテールサーモンのキャンプ飯を食べ始めた。
「おいひ～っ！！」
「おさかなごはん…おいしっ。」
目をキラキラと輝かせながら、ソードテールサーモンのキャンプ飯を口いっぱいに詰め込んでいる2人を見て、フレイも箸を動かし始めた。
「ボクも食べよっと、いただきま～す。」
一口、ほぐしたソードテールサーモンとご飯を口にしたフレイは、幸せそうにう～んと唸った。
「ん～っ、これ最高かも……。こう外で焚き木で温まりながら食べてるのも、新鮮な雰囲気で余計美味しく感じるね。いつもよりたくさん食べれちゃいそう。」
もぐもぐと味わいながら食べていたフレイは、チラリと追加で調理を進めていた俺に視線を向けると、立ち上がってこちらに歩み寄ってきた。
「ヒイラギさん。」
「ん？どうしたんだフレイ。おかわりは申し訳ないけどまだできてないぞ？」
「うぅん、そうじゃなくて。ヒイラギさんだけまだ食べてないから。」
すると少し照れながら、フレイは箸でこちらにソードテールサーモンのキャンプ飯を差し出してきた。
「食べさせてあげるから、あ、あ～んして？」
「じゃ、じゃあありがたく……あむっ。」
俺自身ちょっと恥ずかしかったが、ためらっているとさらにお互いに恥ずかしくなると思ったので、すぐに食べさせてもらった。
「んっ！！美味いな、ジュエルサーモンに比べると味は淡白だけど、それ故に香草とバターの香りがマッチしてて、ご飯のお供に最高だ。」
「も、もう一口食べる？」
「その言葉に甘えたいところだけど、これ以上食べるとフレイが食べる分がなくなっちゃうからな。俺の分は今から作るから、あとは全部食べちゃってくれ。」
「あ、う、うん。わかった。」
その後、もう一回ソードテールサーモンのキャンプ飯を作って、みんなでお腹いっぱいになってからハウスキットに戻った。
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