ソードテールサーモンの白子
ブックマークやいいね等とても励みになりますのでよろしくお願いいたします。
釣りを始めて約1時間ほど時間が経過したが、今のところ釣れているのは、最初にフレイが釣り上げたソードテールサーモンのオスと、小さなバリーズのみ。
あの超巨大なバリーズを捕食しようとしていた、真の川のヌシは未だ姿を現していない。
「よいしょ!!あ、またこのお魚さんだ。」
またしてもフレイがソードテールサーモンのオスを釣り上げる。
「またオスだな。」
「メスは黄色いってさっき言ってたよね?」
「あぁ、鑑定によるとそうらしい。」
「ん〜……もしメスだったら卵が入ってるのかな?」
「どうなんだろうな、今が産卵期なのか……それは見てなかった。」
すると、フレイはふとある疑問を抱いたらしく、それを俺にぶつけてきた。
「ねぇねぇ、メスだったら卵をお腹の中に持つけど……オスは何かお腹の中に違うの持ってたりするの?」
「オスには白子が入ってるかな。」
「白子?」
「ま、どんなものかは見てみたほうが早いかもな。」
ちょっと言葉で説明するのは、なかなか……な。
フレイの疑問を解決するために、今しがた彼女が釣ってくれたオスのソードテールサーモンを締めて、お腹を割ってみた。
すると、一対の極太の白子がブルンと飛び出してくる。それを傷つけないように摘出して、フレイに見せた。
「これが白子だ。」
「ほぇ~名前の通り、本当に真っ白なんだね。」
「天ぷらにしたり、茹でてポン酢で食べたら美味しいかもな。」
「美味しいんだ……ちょっと味は気になるかも。」
「今日の夜はこのソードテールサーモンを使おうかなって考えてる所だったから、その時に食べてみればいいさ。」
「うん!!そうするよ。」
疑問が一つ解決した所で、フレイはまた釣りを再開していた。
それにしても、オスに今これだけ大きな白子が入ってるってことは、メスが釣れたら卵がパンパンに入ってる可能性がある。
そっちもそっちで美味しそうだなぁ……。それこそイクラの醤油漬けみたいにして、たっぷりご飯にかけて食べたい。
脳内でホカホカのご飯の上に、イクラをたっぷりとかけている様子をシュミレートしていると、不意に背後から殺気を感じた。
「……!!」
後ろを振り返ってみると、そこには一匹の動物の姿があった。
「熊?」
ゆっくりとこちらに近づいて来ているのは、シャチのような白黒模様の毛並みの巨大な熊だった。
すると、俺と目が合った瞬間、猛スピードでこちらに向かって走ってきた。
この作品に対する感想、意見などなどお待ちしています。こうしたほうがいいんじゃない?とかそういったものは大歓迎です。単に面白くないとかそういった感想は豆腐メンタルの作者が壊れてしまいますので胸の内にとどめていただければ幸いです。