天気が良くなるまでに……
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翌日……ゼラ曰く、今日の山の天気は午後から安定するとのこと。だから午前中はツンドライサの横を流れる川で、頑張ってヌシを狙ってみようと思う。
普段ならランとかレイとか……グレイスも釣りにはついて来たいって言うはずだが、ハウスキットの中が快適すぎて、寒い外になかなか足が踏み出せないとのことだ。
まぁでも、誰だって暖房がついてて暖かい場所から、こんな寒い外に出るのはなかなか気持ちが進まないものだ。
俺の場合は食材として、何か新しいものが入手できるんじゃないかって楽しみだから、何の抵抗もなく外に出られるけど……。
「よいしょっと、場所はここで良いかな。」
「じゃあボクもここにする〜。」
俺が釣りをすると決めた場所のすぐ隣に、フレイも椅子を置いて釣り竿の用意を始めた。今日の釣りに同行してきてくれたのは、フレイただ一人。
ドーナと師匠、リリンはお昼からの探索までハウスキットで休憩中だし、シアとメリッサはカイリのところに遊びに行ってる。
俺自身今日の釣りは一人でやることになるだろうな……って思っていたから、フレイがついて行きたいっ!!とやる気満々で進言してきたのには驚いた。
「フレイ、上着はまだあるけど、寒かったりしないか?」
「大丈夫〜、今日は5枚中に着て来たもんね!対策はバッチリだよ。」
そう言ってニコリとフレイは笑った。
「そっか、寒くなったら我慢しないですぐに言ってくれよ?風邪を引かれたら困るからな。」
「うん、約束するよヒイラギさん。」
「よし、じゃあ大物狙って釣り始めるとしようか。」
今回使うエサはちょっと工夫してきた。魚のすり身に色々な調味料を加えて、それを団子状に丸めて来たのだ。
「これエサに使えば良いの?」
「あぁ、味の違うものを何種類か用意したから、食いつきが悪いなと思ったら変えてみてくれ。」
「りょ〜かいっ。」
早速フレイは、まず最初にシンプルにすり身に塩で味をつけた団子を針につけて川の中へと放り込む。するとすぐに魚が食いついてきた。
「すぐキタッ!!絶対逃さないよ〜。」
フレイはあのリリンの妹……もちろんステータスはかなり高い。だから圧倒的なパワーでぐんぐんと魚がこちらに引き寄せられてくる。
「そ〜れっ!!」
あっという間にフレイによって魚が釣り上げられると、それはまだ見たことのない魚だった。
「お?バリーズでもない、スネイクフィッシュでもない……また見たことのない魚だ。」
見た目は鮭に近いけど……体の色が真っ赤だし、何より尻尾が刃物みたいに鋭い。
「鑑定してみようか。」
鑑定によると、この魚の名前はソードテールサーモンというらしい。体の色が赤いとオスで、黄色いとメスらしい。
特に毒はないようだが、剣のような尻尾は武器にも使われるほど切れ味が鋭いって書いてある。
「これ食べれるかな?」
「一応食べれるみたいだ。俺が締めておくから、フレイはどんどん釣ってくれ。」
サクッとソードテールサーモンを締めて、俺も釣りを始めるのだった。
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