メルとゼラの企み
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メルとゼラの2人に料理を振る舞った後、ハウスキットに戻るとすぐにこちらにイリスが歩み寄ってきた。
「ふふふ、メルちゃんとゼラちゃんの様子はどうでしたか?」
「なんだ、やっぱり筒抜けだったか。イリスも来ればよかったのに。」
どうやら先程の神域でのやり取りはイリスにすべて筒抜けだったらしい。
「私も一緒に加わっちゃったら、メルちゃんたちの食べる分が少なくなっちゃうじゃないですか。せっかくなら、ヒイラギさんの美味しい料理をお腹いっぱい食べてほしかったんです。」
「なるほどな。」
「で、2人の反応はどうだったんですか?」
「2人ともしっかりと鍋の〆まで味わって、スープの一滴も残らなかったよ。また何か作ったら持ってきてくれだってさ。」
「ふふ、やはり私以外の女神も美味しいものには抗えなかったようですね。」
「ちなみに、2人とも口をそろえてイリスだけこんな良い待遇をされてるのズルいって言ってたぞ。」
「これもヒイラギさんを見守る役目がある、私の特権なんですよ~。」
そうイリスが勝ち誇っていると、俺のマジックバッグから妖精サイズまで小さくなったメルとゼラの2人が飛び出してきた。
「ふぅん、下界に干渉しすぎるのはいけないと思うけど~?その辺はどうなのかしらねぇイリス?」
「イリスだけ毎日美味しいのいっぱい食べてるのズルいよ~。」
「な、なな、なんで2人がここに!?」
「あなたがここに留まれる原理と同じよ。この転生者くんの神気を私たちもちょっと借りて、こうやって姿を顕現させてるってわけ。」
「な、なるほど、ヒイラギさんがデミゴッドになったから近くにいれば神気を常に補給できるってわけですね。くっ、ここでヒイラギさんが進化してしまったことが仇になってしまうとは思いませんでした。」
少し悔しがっているイリスに、俺の肩に座るメルとゼラの2人がさっきまでいた神域での、とあるやり取りを伝えた。
「実はさっき私たち話し合ったんだけど、この転生者くんはもう下界に住んでいる種族と同じ扱いじゃなくていいって話になったのよ。」
「だってデミゴッドだしね~。」
「はへ?」
「だから私たちは神見習いのデミゴッドの彼に、簡単な対価を条件に加護を与えることにしたの。」
「メルちゃんは水の加護~、私は天気の加護を与えたんだよ~。」
「えぇっ!?な、なにやってるんですかっ!?加護なんて与えちゃったら世界の均衡が……。」
「大丈夫よ、そんなに強い加護じゃないわ。」
そう言ってクスリとメルは笑う。イリスが慌てている間に、メルは俺の肩から飛び立って顔の前に飛んでくると、パチンとウインクしながら言った。
「じゃ、あの対価のこと、よろしく頼んだわよっ。さぁ、ゼラ~イリスが正気に戻る前に帰るわよ~。」
「ばいばいね~転生者く~ん。」
するとメルとゼラの2人は、神華樹の中へと飛びこんでいってしまった。その後正気に戻ったイリスが対価とは何なのかと詰め寄ってきたが、毎日ご飯を捧げることが対価と告げると、ホッと胸をなでおろしていた。
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