解体スノウパンチシュリンプ
ブックマークやいいね等とても励みになりますのでよろしくお願いいたします。
山の地図に今日探索して得られた情報をメモし終えた俺は、雪山に住んでいた魔物スノウパンチシュリンプの味を確かめるがてら、解体してみることにした。
「よっこいしょっと。」
一匹台の上に置いただけで、スペースが全て占領されてしまう。これがあと10匹ぐらいマジックバッグの中に入っている。
「普通の大きさのシャコなら、軽く洗ってボイルするところなんだけど……コイツが丸ごと入るような鍋は無いんだよなぁ。」
頭と胴体を分けたとしても、現状このハウスキットの中にある一番大きな鍋でも、一匹ずつしか茹でられないだろう。
「まぁいいや、とりあえずマジックバッグがあれば鮮度の低下は防げるし、気楽にやろう。」
一先ず鍋に入るように、台の上に置いたスノウパンチシュリンプの頭と胴体を分けて、尻尾を軽く切り揃えた。
「よし、これで塩を入れた熱湯にドボン……と。」
頭は後で出汁を引く用に取っておいて、今回は胴体だけをボイルしていく。
熱湯に入れたらシャコと同じく色が赤くなるかな……と思ったのだが、予想に反して色は真っ白なままだ。
「熱湯に入れても赤くならないってことは、普通のエビとかカニとは甲殻の成分が違うのか。」
しかし、茹でている香りは完全にエビを茹でている時に感じるあの香りだ。
「一先ず火は入ったかな。」
鍋から取り出して、再び茹で上がったスノウパンチシュリンプを台の上に置き、今度は殻を外していく。
「げっ、キッチンバサミじゃ刃が立たない。」
足ごと縁を切り取りたかったのだが、キッチンバサミじゃコイツの殻に刃が立たない。
「仕方ない……レヴァを使おう。」
マジックバッグからレヴァを取り出すと、驚くことに包丁のような形から、一瞬でハサミのような形状へと形を変えたのだ。
「お前、そんな形にもなれたのか。ってことは、いろいろ複雑な形にも変化できるってことなのか。」
ハサミの形に変わったレヴァで、今一度殻を切ってみると、まるで紙を切るようにスッ……と切れてしまった。
「流石はレヴァだな。」
レヴァのとんでもない切れ味を褒めながら、足ごと縁を切りそろえていく。
「後はここに手を入れて……フンッ!!」
ベリベリっとお腹の殻を剥いて、胴の身を摘出した。サイズが大きい分、胴体に入っていた身も相当な量だ。
「後は味だよな。」
今度は包丁の形に変わってもらったレヴァで、少し身を切って口の中へと運んだ……。
この作品に対する感想、意見などなどお待ちしています。こうしたほうがいいんじゃない?とかそういったものは大歓迎です。単に面白くないとかそういった感想は豆腐メンタルの作者が壊れてしまいますので胸の内にとどめていただければ幸いです。




