意外なイリスの一面
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思わぬ道草を食ったが、食べたことのない食材……スノウパンチシュリンプは、リリンたちのおかげで大量に集まった。今晩の料理にこれは使ってみることにしよう。
かくして1日目の山の探索を終え、ツンドライサへと戻ってくると、それとほぼ同時に辺りに風が吹き始め、次第に吹雪へと天気が変わっていった。
「……ゼラの天気予報通りの天気になったな。」
ハウスキットの中で山の地図を広げ、今日探索できた場所に、いろいろとメモを書きながらポツリと呟くと、いつの間にか正面に座っていたイリスがにこりと笑いながら口を開く。
「なんていっても天気の女神……ゼラちゃんの予言ですからね。当たるのは当然です。」
「こんなに正確なら、毎日教えてもらいたいぐらいだよ。」
事前に天気がわかっていれば、その日の予定を組み立てるのも難しいことじゃない。
「私のことも毎日頼ってくれても良いんですよ?」
「イリスに頼るって……何を頼れば良いんだろうな。家事とか?」
「それ、私じゃなくても出来ますよ!!私にしか出来ないことを頼ってください。」
「そう言われても、イリスって転生の女神だろ?死んだ人の魂を転生させるってこと以外、何かできるのか?」
素直に疑問に思ったことを口に出してみると、それがイリスにとってはクリティカルヒットだったらしく、ガックリと肩を落としてしまった。
「確かに……今思えば私、あんまり皆さんのお役に立つことができる権限を持っていませんでした。」
「ま、まぁそんなに肩を落とさなくても……イリスは、俺と師匠に2度目の生をくれたじゃないか。それだけでもめちゃくちゃ凄いことだし、心から感謝してるんだぞ?」
「……ホントですか?」
「あぁ、もちろんだ。」
すると、イリスは機嫌を戻してくれたらしく、またにこりと笑った。
「あ、ヒイラギさんコーヒーがなくなってますよ。私、新しいの淹れてきましょうか?」
「え、だ、大丈夫だぞ?自分で行けるから……。」
「いえ、忙しそうなので私が持ってきてあげます。」
俺の空になったマグカップを手に、イリスはコーヒーメーカーの方へと行ってしまった。
「イリスは意外と嫉妬深い……と。覚えておこう。」
新たに判明したイリスの性格を、俺の脳内にしっかりとメモしておくのだった。
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