雪山探索開始
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ゼラから天気予報を聞いた翌日……俺はドーナと師匠、そしてリリンと共に、ゴーダバッファローのいる雪山の地形を把握するべく、少し探索してみることにした。
ちなみにランやレイ、グレイスはどれだけ厚着をしても雪山に一緒に登るのは辛いらしく、シア達と一緒に、ハウスキットでお留守番となった。
「天気がいいのはお昼までらしいから、それまでには切り上げて帰ってこよう。」
「雪山で悪天候に見舞われて遭難って、よく聞く話だからねぇ。」
「私も2度目……いや正確には3度目なのか?まぁいい、今の生を終わらせたくはない。安全策を取ることには賛成だ。」
そうドーナと師匠と話し合っていると、動きづらそうな厚着を身に纏ったリリンが不機嫌そうに口を開いた。
「まったく、なんで私も一緒に行かなきゃいけないのよ。」
「リリンはほら、コウモリ飛ばせるだろ?それで周りを探索して欲しいなって思ってさ。」
「できないことはないけど、私のコウモリも寒さで動きが鈍ってるわよ?」
「ちょっと上から周りを見渡せればそれでいい。遠くに飛ばしたりとか、別に無理しなくて構わないから。」
「……わかったわよ。」
渋々ながらもリリンは承諾してくれた。
「よっし、じゃあ安全には細心の注意を払って山を登っていこう。」
そして登山口から、俺達は雪山へと足を踏み入れた。
しばらく緩い傾斜を雪を掻き分けながら登っていると、ポツリと師匠が雪景色を見て呟いた。
「これだけ雪が積もっているなら、スキーができるな。」
「あれだったら道具でも作ってもらいます?腕のいい知り合いがいますよ。」
「そんな真面目な装備なんていらないぞ。平行な木の板が2枚あれば十分だ。」
「それ、危ないですよ。」
「私は子供の頃からそうやってスキーを楽しんでいたから、そっちのが慣れてるんだがな。」
と、スキーの話をしていると、それに興味を持ったドーナとリリンが話に加わってきた。
「そのスキーってのはいったいなんだい?」
「話を聞いてる感じ、この雪を使った何かみたいだけど。」
「気になるなら下山する時に見せてやろうじゃないか。その辺に木の板か何か落っこちてれば良いんだが……なぁっ!?」
話をしながら歩いていた師匠の姿が、突然雪の中へと引きずり込まれるように消えた。
「師匠っ!?」
「シズハっ!!大丈夫かい!?」
慌てて師匠が消えた場所を確認しに行くと、ポッカリと空いた穴の底で、師匠は何かの魔物と格闘戦になっていた。
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