天気の女神ゼラ
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ハウスキットの外に足を踏み出してみると、凍てつくような寒さが襲いかかってくる。
「うぉぉっ、さ、寒すぎる。い、イリスは寒くないのかそんな格好で……。」
「私は女神なので、寒さは感じないのですよ〜♪」
「改めてデタラメだ女神って存在は……。」
上着に更にジャケットを羽織って俺は、極寒の外へと足を踏み出した。そして吹雪が吹いている中、社へと向かう。
「あそこだな。」
不思議なことに社の近くにたどり着くと、吹雪はピタリと止み、冷たい風すらも体に打ち付けてこなくなった。
「あれ……なんかちょっと温かいか?」
「ここは神聖な場所ですから。外界の影響が少ないんですよ。」
「なるほどな。」
「では、祈りましょうか?」
「あぁ。」
イリスとともに祈りを捧げてみると、久しぶりのあの感覚と共に、俺の意識は神域へと移動してきていた。
「おっ、ここが季節の女神の神域か。」
この神域はまた不思議な場所で、色々な天気を一箇所に詰め込んだような空間だった。ある場所は晴れていて、またある場所は雨が降っていて……とにかく景色が忙しない。
「いらっしゃ〜い、イリスちゃん!!」
晴れている所の森の中から、木よりも遥かに大きな女性が姿を現し、こちらに地面を揺らしながら走ってきた。
「こんにちはゼラちゃん。前に会った時より大きくなりました?」
「そんな変わってないと思うけど〜、どうかな〜?自分の身長なんて気にしたこと無いからわかんな〜い。」
そう言って笑った彼女は、足元に佇む俺たちへと視線を向けると、あっ……と何かに気がつく。
「あ!!その男の子、前に言ってた転生者君でしょ!!会ってみたかったんだよね〜。」
「その通り、この方が私がこの世に転生させたヒイラギさんです。」
「よろしく……。」
「うんうん、よろしくよろしく〜。私はゼラ、天気の女神だぞ〜。」
俺の身長の2倍ほどもある大きな人差し指で、彼女は俺の頭を撫でてきた。
「それで、今回はまたどうしたの〜?私に何か用事?」
「天気のことについて、ヒイラギさんが聞きたいことがあるみたいですよ。」
「ほむほむ、なんでも聞いてよ〜。30年先の天気までなら事細かに分かるから。」
その言葉を聞いて、改めて女神という存在はとんでもない存在だ……と実感した。
でもまぁ今回ゴーダバッファローに挑むにあたって、これほど頼もしい存在は居ない。山の天気が安定している日を聞いておこう。
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