ツンドライサ到着!
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「あれは……松明の明かりかな?」
既に日は沈んでしまったので、辺りは暗い。だが、もうすぐそこに人が作ったものと思われる明かりが見えている。
「グレイス、もう少し頑張れるか?」
「あの明かりのところまで行けば良いっすよね?」
「あぁ、あそこまで頑張ったら今日の晩御飯は奮発する。」
「うぉぉぉぉっ!!それを聞いたらやる気出るっすよ!!」
やる気スイッチがオンになったグレイスは凄まじく、深く積もった雪もなんのその……豪快に掻き分けながら明かりの方へと一直線に進んでいく。
グレイスが頑張ってくれてる間、俺はちょっとした警戒がてら辺りを見渡していると、さっきまであったものが忽然と消えていたことに気がつく。
(……あの巨大な足跡が消えた?)
ついさっきまではあった。グレイスのやる気スイッチがオンになってからも、目先に点々とあったはず……。だが今は無い。
「何だったんだろ。」
足跡の正体も気になるが、それよりあの明かりの方へとあの足跡が続いていないことに、一つ安心した。もしアレが凶暴な魔物の足跡で、あの明かりのある所が襲われてた〜とか、洒落にならない。
一安心している間にも、もう明かりが目前へと迫っていて、そこの全貌が明らかとなり始めていた。
「丸太で囲まれた集落……なのかな?」
俺の夜目で見る限り、明かりのある場所は巨大な丸太でぐるりと囲われているようだ。
「もう少し近づいてみるか。」
そしてグレイスに声をかけようとしたその時だった。
「と、止まるべっ!!」
「わわっす!?」
どこからか急に馬車の前に人が飛び出してきて、俺たちに停止するように言ってきた。
「グレイス、一旦止まって良い。」
「了解っす。」
俺はグレイスに一度止まってもらって、運転席から降りて、その人物へと歩み寄る。寒さからか恐怖からか、震える手で槍を持っているその人物へと、俺はゆっくりと丁寧に語りかけた。
「夜分にすみません、実はツンドライサを目指して旅をしてるんですけど……。」
「お、おめぇ達雪狼じゃねぇべか?」
「違いますよ。アイツらなら今頃牢屋にぶち込まれてるはずです。」
「ゆ、雪狼がつかまったべか!?」
「はい、一人残らず……。」
「そ〜れは知らねがっただぁ。それど、おめぇ達が目指してだったツンドライサはこの村だべ。」
「やっぱりそうでしたか。良かった……やっと着いた。」
「おら、バイル様がら手紙もらって、娘さんのカイリ様がくんの待ってんだけんど、どっかで行き合わながったべが?」
「カイリちゃんなら俺達が運んできましたよ。馬車の中にいます。」
「なぁんだ!!それならそうと早ぐ言ってけだら良いのに、ほれほれ寒ぐなってきだがら、村の中に入んべ。」
「ありがとうございます。」
こちらが敵意がないことを示すと、すっかり気をよくして、俺達のことをツンドライサの村の中へと彼は案内してくれた。
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