ツンドライサへと続く巨大な足跡
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昼食を食べ終えて、ひと休みした後で改めて出発の準備を整えることにした。
「ほい、グレイス右前足上げて。」
「はいっす!」
「次は左前足。」
「はいっす!」
グレイスに協力してもらいながら、防寒仕様の馬車の装備をつけていく。少し動きづらそうだが、寒くて全く動けなくなるよりかはマシだろう。
「どうだ?さっきより暖かいか?」
「全然違うっすね。冷たい風が直に当たらないのが最高っす。あと、雪を踏んでも冷たくないのも快適っす!!」
「そっか、ならこれでしばらく進もう。後は馬車の車輪にチェーンを巻き付けるか。グレイス、もう少し協力してくれ。」
雪道でスリップしないように、馬車の車輪にチェーンを巻き付けていく。車輪は全部で6つあるから、その全てにチェーンを巻かなければならない。
「グレイスの協力があるからスムーズだけど、一人でやるってなったら、こりゃ大変だぞ。」
そんな事を思いながら、慣れない作業を何とかやり遂げ、運転席に座った。
「よいしょ、それじゃグレイス。今日は進めるところまで進もう。」
「了解っす!!」
できれば今日か明日にはツンドライサに着きたいけど……あとどれぐらい距離があるのかわからないし、一先ず進めるところまで今日は進もう。
そうして馬車を進めていると、突然空に黒い雲が漂い始め、しんしんと雪が降り始めた。
「お、雪が降ってきたな。」
「この辺から積もってる雪も深くなってきたっすよ。歩くのが大変っす。」
「そうだな。転ばないようにゆっくり進んでくれ。」
「了解っす〜。」
俺たち以外の馬車の跡も、足跡も無い新雪の積もった道をひたすら北へと進む。その道中、グレイスがまた何かを見つけた。
「あ、ヒイラギさん。ここに魔物……かなんかの足跡がついてるっす。」
「ホントだ。ずいぶんデカい足跡だな。」
足跡を見た限り、巨大な蹄のような足跡が一定の間隔で俺たちが向かっている北の方向へと続いていた。
「何の足跡だろ……蹄っぽいし、デカい鹿とか?」
「敵じゃなきゃ良いっすけどねぇ。」
「そうだな。こっちに敵意のある存在じゃないことを祈るばかりだよ。」
少し気がかりなのは、まるでツンドライサへと向かっているように、足跡が続いている事だが……。少し考えすぎかな。
「とりあえず今のところは、辺りに危険な気配は感じないし、足跡に続いて進もうな。」
「了解っす、頑張るっす!!」
巨大な足跡に続き、ツンドライサを目指して進んでいると、少しずつ日が暮れ始めた。それと同時に遠くの方でポッ……と、いくつも明かりが光っているのが見えた。
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