カイリに流れるバイルの血
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スープパスタを完成させて、みんなの所に運ぶと、カイリ以外の面々はすぐに美味しそ〜と、目を輝かせていたのだが、こういう料理を食べたことのないカイリは目を白黒とさせていた。
「カイリの口に合うかはちょっと分からないけど、まぁ試しに食べてみてくれ。」
「あ、は、はいっ。」
「大丈夫〜、お兄さんの料理はと〜っても美味しいんだよ〜。」
「うん…さいしょはおいしすぎて…びっくりする。」
「そうなんだ……。」
「まぁ、美味しくなかったら美味しくないって言ってくれ。その時はまた違う味付けの料理を作るからさ。」
そう宥めながら、俺が手を合わせるとみんなも手を合わせた。
「カイリちゃん、シア達はご飯を食べる前にみんなでいただきますってするんだよ。」
「手を合わせれば良いの?」
「うん!!」
そしてシア達の真似をして、カイリも手を合わせた所で……。
「いただきます。」
「「「いただきま〜す!!」」」
「あ、い、いただきます。」
パスタの食べ方を知っているカイリ以外の面々は、くるくるとフォークでパスタを巻いて口に運び、幸せそうな表情を浮かべている。
「え、えっと……。」
「カイリちゃん、こうするんだよ〜。フォークでくるくるって巻くの。」
戸惑うカイリにフレイが、パスタをフォークに巻き付ける方法を教えてあげた。
「で、きれいに巻き付けたら、それをパクって食べるの。こんな感じでね。」
フォークに巻いたパスタを、フレイはパクっと口の中に入れた。
「んふ〜っ♪美味しいよ〜?」
「あ、あむっ!!」
ようやくカイリがパスタを口にすると、驚いたように目を大きく見開き、口を押さえながら食べていた。
「……ど、どうだ?」
どちらの反応か分からず、ドキドキしていると、口の中にはいっていたパスタを飲み込んだカイリがポツリと一つ呟いた。
「す、すごく美味しくて……言葉が出ませんでした。」
「ほっ……良かった。そっちの反応だったか。もしもっと食べたかったら、遠慮なく言ってくれ。」
「ありがとうございます!!」
と、カイリに言ったつもりだったのだが……。
「ヒイラギ〜、ワタシおかわり欲しいわ〜。」
「自分も欲しいっす!!」
「主っ、ワシにもくれっ!!」
「はいはい、ただいま。」
ラン達がおかわりを頬張っている時に、カイリがシア達と一緒におかわりをお願いしてきた。意外や意外……カイリはバイルの胃袋をちゃんと受け継いでいるらしく、大人顔負けの食いっぷりを見せてくれた。
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