雪道突入
ブックマークやいいね等とても励みになりますのでよろしくお願いいたします。
馬車の装備をグレイスに装着している間にも、馬車の中から楽しそうなシア達の声が聞こえてくる。あの雰囲気ならカイリが馴染むのに時間はかからないだろう。
「これで馬車の準備はオーケー。」
「もう出発するっすか?」
「いや、ちょっとグレイスはここで待機しててくれ。俺はみんながとったあの魚の血抜きとかそういうのを終わらせてくる。」
美味しいお魚だったし、また他の料理に使いたいからな。
そしてその場でできるバリーズの下処理をしていると、ぶんぶんと羽音を響かせながらこちらに何匹かのハチが集まってきた。
「おっ、助かるよ。内臓とかは全部食べちゃっていいから。」
取り除いた内臓やエラなどをメリッサのハチが綺麗にのこさずたべてくれるため、その場が汚れない。それなのにメリッサのハチの胃袋は膨れる……なんとも素晴らしいことだ。
「よし、これで最後っと。」
最後の一匹のバリーズの下処理を終えて、それをマジックバッグの中に放り込んで、辺りをウォーターブレスで洗い流した。
「さて、改めて出発だな。」
改めて運転席に座ると、グレイスがやる気満々といった様子で、フンスと鼻息を大きく吐いた。
「じゃあグレイス、もうちょっとでお昼ご飯の時間だけど、それまで頑張って進んでくれ。」
「了解っす!!行くっすよ~!!」
再び馬車を進めてツンドライサへの道のりを進んでいくと、更に気温が低くなり、道端にはまだ解けていない雪が目立つようになってきた。
「この辺からはもう雪が積もってるんだな。」
「あ、足が冷たいっす~。」
「さっきあの冷たそうな川で魚を取ってた時は、ぜんぜんそんな風に寒そうじゃなかったけどな。」
「まだ水の中の方が温かかったかもしれないっすよ。今は氷の上を歩いてるみたいっす。」
「あんまりにも我慢できなさそうだったら追加の装備出すけど……どうする?」
「まだ大丈夫っす。足がずぼ~って埋まっちゃうようになったらほしいっす。」
「わかった。」
……それにしても、この辺に住んでたら雪かきとか大変そうだな。俺が子供のころに住んでいた場所も雪が積もる場所だったが、子供の頃は楽しくても大人になるにつれて雪かきの苦労とか、交通の面での不便とかが頭をよぎって雪を見ると辛くなるんだよな。
「今度お昼休憩で馬車を止めたら、車輪の雪道対策もしないとな。」
と言ってもチェーンを巻き付けるだけだから簡単なんだけど。ありがたいことに、エノールがその辺も簡略化してくれたんだよな。
「さて、もう少し進んだらお昼休憩にしよう。」
「了解っす!!うへへ、今日のお昼ご飯は何っすかねぇ~、楽しみっす~。」
「朝はバリーズバーガーだったからなぁ、かなり冷えてきたし暖かいものを食べたいところだな。」
できれば温かいスープと一緒に食べれるものが……あ、それなら一つまだみんなに作ってない美味しいのがあるな。今日のお昼ご飯のメニューは決定だ。
この作品に対する感想、意見などなどお待ちしています。こうしたほうがいいんじゃない?とかそういったものは大歓迎です。単に面白くないとかそういった感想は豆腐メンタルの作者が壊れてしまいますので胸の内にとどめていただければ幸いです。




