カイリを連れて帰ってくると
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馬車がある場所へと戻ってくると、どうやら少し暇を持て余していたらしく、各々釣りとはまた違った方法で川で魚を取っていた。
「あ、ヒイラギにレイ、お帰り~。」
「ただいま、ちょっと待たせちゃったな。」
「良いのよ~、それより見てみて~こんなに魚取れたのよ。……みんな同じやつばっかりだけど。」
彼女たちがとった魚を集めていた場所に目を向けると、そこにはバリーズが山のように積み重なっていた。
「ちょっと間抜けな顔してるけど、こういう魚も美味しそうじゃない?」
「この魚、実は今日の朝食でフライになってた魚だぞ。」
「あらやっぱりっ、美味しいお魚なんじゃない。」
「こんなに釣れたんなら、フライ以外の料理も試してみてもいいかもな。」
そんなことを話していると、ラン達は俺にくっついて離れないカイリのことが気になったらしく、しゃがんで彼女に顔を近づけた。
「こんにちは、名前……確かカイリちゃんだったっけ?ワタシの名前はランよ。よろしくね?」
「アタイはドーナだよ、よろしく。」
「ワシはレイじゃ。」
そうして一人一人その場にいるドーナ、ラン、レイと順調に自己紹介をしていくが、一匹だけ問題のあるやつがいた。
「自分はグレイスっていうっす〜!!」
「ひゃぁぁぁっっ!?ま、魔物っ!?」
「あっ、驚かせてゴメンっす。」
川で魚をバシャバシャと熊のように弾いていた、そのままの姿でグレイスがこちらに走ってきたから、カイリがとてもびっくりしてしまっていた。
グレイスは今のままの姿だとカイリに恐がられてしまうと理解して、一言謝るとどんどん体を小さくしていって、シア達に抱かれるようなマスコットサイズにまで縮んだ。
「自分怖いワイバーンじゃないっす~。仲良くしてほしいっすよ~。」
カイリの前でパタパタと飛び回るグレイス、流石にマスコットサイズまで縮むと、恐怖心は無くなったらしくカイリはグレイスを見てぽつりと言った。
「か、かわいい……かも?」
彼女がグレイスと打ち解けたことに一安心した後、俺はカイリの肩にポンと優しく手を置いて、他にも馬車の中に仲間がいることを伝えた。
「カイリちゃん、馬車の中にも他に仲間がいるんだ。ラン達と一緒について行って自己紹介をしておくといいよ。きっと仲良くなれる。」
そう優しく語り掛けてあげると、彼女はこくんと頷いた。
「それじゃあみんな、この子のこと頼んだぞ。」
ラン達にカイリのことを預けて、俺はグレイスにまた馬車の装備を着けて、出発の準備を整えるのだった。
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