王都に寄付を
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こちらに歩み寄ってきたミースは、テーブルの上にあった皮袋を手に取ってこちらに手渡してきた。
「今回は山賊雪狼の確保に尽力してくださってありがとうございました!!雪狼には多額の懸賞金がかけられていましたので、その全額をご用意させていただきました。」
「ちなみにその金額っていくらぐらいなんだ?」
「え~っと白金貨15枚と金貨25枚ですね。」
「そんだけの懸賞金をかけても捕まえられなかったのか……。まぁいいや、それ全部王都に寄付してくれ。」
「えっ!?」
「王都の復旧費用に充ててくれ。多分まだまだお金が必要になるだろうからな。」
「ほ、本当にいいんですか?かなりの大金ですけど……。」
「だからこそだよ。俺達は今のところお金には困ってない。なら困ってる人のために使ったほうがよっぽど有意義だ。」
「ヒイラギさんがそこまで言うならわかりました。こちらはヒイラギさん名義で、ギルドから王都の方へ寄付しておきます。」
「そこは別に俺名義じゃなくてもいいんだけど……。」
「いえ、ここは譲れません。ダメです。」
フルフルと首を横に振って、ミースは何やら1枚紙を取り出してそこにサラサラと何かをかき込んでいく。そして書き終えるとそれをこちらに見せてきた。
「え~……私ヒイラギは山賊雪狼にかかっていた懸賞金の全額を王都へ寄付いたします。」
と、その紙には書いてある。
「あとはここにヒイラギさんの指印をください。」
「それは断らせないつもりだろ?」
「もちろんです。」
絶対にミースが引かないことを理解しているので、俺は大人しくその紙に指印を押した。
「はいっ、ありがとうございます。では後程王都に寄付しておきますね。」
「頼んだ。じゃあ俺たちは行くよ。」
「またいつでも帰ってきてくださいね。バフォメットさんも待ってますから。」
「あぁ、また来るよ。」
そしてギルドを後にして、いざ帰ろうかと思った時、ふとあることを思い出した。
「あ、そういえば……カイリちゃん、ちょっと聞きたいことがあるんだけどいいかな?」
「は、はひっ。」
「そ、そんなに緊張しなくてもいいんだけど……その、これからツンドライサに向かうんだけど、着替えとかって用意してるかい?」
「へ、お、お着替えですか?」
「あぁ、向こうはその恰好じゃ寒いだろうから、着替えとか上に羽織る服とかあるのかなって思ったんだけど。」
「ご、ごめんなさい。特にそんな用意は……。」
「ん、それならちょうどいいから、暖かい服を何着か買って行こう。」
「主、それならばワシの服もいくつかついでに見繕ってほしいのじゃ。この格好でも向こうでは少々冷えたのでな。」
「わかった。」
エミルでカイリが着替えられる暖かい服を何着かと、レイの追加の暖かい服を購入して、馬車があるツンドライサの道中に戻るのだった。
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