静葉の新たな戦い方
ブックマークやいいね等とても励みになりますのでよろしくお願いいたします。
馬車の見張りをランとレイの2人に任せて、俺とドーナ、師匠で雪狼の頭領がいるという洞窟へと向かう。
「しっかし、雪狼の野郎共……10日に1回拠点を変えてたとはねぇ。そりゃアタイらの手から逃れるわけだよ。」
「捕まるリスクを最小限にするための小細工だな。」
「まったく、悪知恵の働く奴らだよ。」
そんな会話をしながら林の中を進んでいると、ようやく雪狼が根城にしている洞窟が見えてきた。
「アレが根城だね。見張りは2人……どうするヒイラギ?」
「ボギーの話によると、今回の洞窟は奥に抜け道があるらしいから、そっちに逃げられないように静かに倒そう。」
「なら私が行こう。」
するとこの役目に師匠が名乗りを上げた。
「この触手を使えば、2人制圧するぐらいは容易い。それにこうすれば……。」
師匠は腰からずるりと太い触手を足のように2本生やすと、それで自分の体を宙に浮かせた。
「足で駆ければ音が鳴る。しかしこの触手ならば、足音は鳴らん。」
「だ、大丈夫ですかそれ……ぶっつけ本番ですけど。」
「こういうのは実戦でやってみるからこそ意味があるのだっ!!」
「あ、師匠……。」
こちらの言葉を聞く前に、師匠は触手を器用に使って音もなく目の前から消えてしまった。そして次の瞬間、どうやら師匠は触手で大ジャンプしていたらしく、見張り達の死角である上から背後に降り立った。
と、ここまでは良かったのだが……。着地の瞬間、ぬぢゃっと粘液が飛び散る音が響いてしまい、見張り達に一瞬気付かれてしまう。
「おっと、危ない危ない。これは予想外だった。」
予想外の出来事に驚きながらも、師匠は触手で見張り2人をサクッと拘束して、意識を刈り取っていた。
「これで良しと。」
「これで良しじゃないですよ師匠。危なかったじゃないですか。」
「終わり良ければ総て良しという言葉がこの世にはあってだな柊……。」
「それはこの雪狼を一人残らず捕まえられたら成立する言葉ですよ。さ、逃げられる前に行きましょう。」
「むぅ、まったく相も変わらず頭が固いな。」
まぁ少し危なかったが、奥に響くような音が立ったわけじゃないし、洞窟の中にいるやつは見張りが無力化されたなんてわからないだろう。
この作品に対する感想、意見などなどお待ちしています。こうしたほうがいいんじゃない?とかそういったものは大歓迎です。単に面白くないとかそういった感想は豆腐メンタルの作者が壊れてしまいますので胸の内にとどめていただければ幸いです。




