龍たちによる尋問
ブックマークやいいね等とても励みになりますのでよろしくお願いいたします。
ボギーという男が気絶してから数10分ほど経つと、ようやく奴の意識が戻り始める。
「ぐっ、腹がいてぇ……顔もいてぇし、いったい何が……。」
そうぼやきながら体を起こした男の前には、ドアップのグレイスの顔が待ち構えていた。
「うおぉぉっ!?な、なんだぁ!?」
「ははぁ~?起きたっすねぇ人間。」
「お、お前は馬車引いてたワイバーンか?」
「自分はワイバーンじゃないっすよ。それより、もっと周りを見たほうが良いっす。」
「周り?」
男がようやくグレイス以外の周りの景色に目を向けると、そこには3匹のドラゴンが物凄い形相で自分のことを見下ろしていたことに気が付いた。この3匹のドラゴンとは、ドーナ、ラン、レイの3人である。
「な、なななんでこんなにドラゴンが集まってやがるんだよっ!!」
「それはみんな俺の心強い仲間だからだよ。」
ドラゴン達の間を抜けて、俺は奴の前に立った。
「て、テメェは……い、いったい何者なんだよっ!!」
「俺が何者かなんて今はどうでもいいんじゃないか?それよりも、自分の身の安全を危惧したほうが良いぞ?」
「お、オレをどうするつもりなんだよ。」
「お前をこれからどうするかは、お前の態度で決める。死にたくなかったら嘘なく答えるんだな。」
そう言いながら、俺はグレイスの背中に跨ると、奴を見下ろしながら一つ付け加えた。
「言っておくが……俺の質問に一つでも嘘をついたら、お前の仲間同様にドラゴンの胃袋に納まってもらう。何せドラゴンっていう魔物は感覚が鋭くてな、人間が吐いた嘘ならすぐに見抜いてしまう。」
そう言いながら俺はこちらに首を下げてきたレイの顎を撫でた。
「自分の命が惜しいなら、言葉通り死ぬ気で答えろ。それが今のお前にできることだ。」
そう殺気を放ちながら奴に向かって言ってやると、奴は壊れた人形のように首を縦に振っていた。
やはり死が間近にあるという恐怖は、すさまじく効力を発揮したらしく、奴はぺらぺらと雪狼の内情について話してくれた。嘘がないかどうかを監視していた師匠も、奴の言葉には何の反応も示さなかったし、すべて真実という事で間違いないだろう。
「ん、まぁとりあえず聞きたいことは全部聞けたかな。それじゃあみんな戻っていいぞ。」
俺の号令と共にみんなドラゴンの姿から人間の姿へと戻った。すると、ボギーの目がきょとんと丸くなる。
「て、テメェ、嘘ついてたのか!?」
「嘘じゃない。ここにいるみんなドラゴンさ。ただ人間の姿をしているだけでな。」
俺も完全に龍化して、奴のことを睨んでやると、奴は何一つ反論しなくなった。
この作品に対する感想、意見などなどお待ちしています。こうしたほうがいいんじゃない?とかそういったものは大歓迎です。単に面白くないとかそういった感想は豆腐メンタルの作者が壊れてしまいますので胸の内にとどめていただければ幸いです。