レヴァの怒り
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目の前で水面から顔を出し、電気を帯びているヒゲをバチバチと発光させながら、バリーズがこちらにギロリと怒りのこもった視線を送ってくる。
「悪いがお前の土俵で戦ってやるつもりはないぞ。」
俺は足元にあった釣竿を掴み、背負い投げするようなフォームで一気に超巨大なバリーズのことを岸へと釣りあげた。そしてバリーズが地面にドスンと着地すると同時に、稲妻が地面を這ってこちらに飛んでくる。
「それは躱せるんだな。」
龍化して翼を生やしてふわりと浮き上がり、その稲妻を回避する。俺には攻撃が当たらなかったが、あるものに攻撃が命中してしまう。
「あっ!?スネイクフィッシュの塩焼きがっ……。」
金串をうっていたということもあり、通電性が良かったらしく、バリーズの雷によってスネイクフィッシュの塩焼きは真っ黒焦げになってしまった。
すると、マジックバッグの中から急にレヴァが飛び出してきて、俺の前で巨大な刀身を持つ日本刀でいう野太刀のような形に変わってしまう。
「なるほどな。」
それを手に取ると、レヴァがまるでドクンドクンと脈動しているような、鼓動が俺の手に確かに伝わってくる。
「せっかく頑張って作った物を台無しにされて、レヴァがお怒りだとさ。」
今のレヴァは野太刀のように巨大になっているが、見た目に反して重さはまるで感じない。そして自分でも驚くほどに手に馴染む。
「さて、じゃあお前をこれから調理する。覚悟しろ。」
レヴァを両手で持って一気に超巨大バリーズとの距離をつぶす。そんな俺を迎撃すべく、目の前を埋め尽くすような広範囲の雷が飛んでくる。
それを一身に受ける覚悟で突き進んでいたのだが、突然目の前で雷の軌道が曲がり、レヴァに吸収されていく。
「お前そんなことまでできるのか?」
レヴァに秘められた力に驚きながら、俺は一気に超巨大バリーズの懐を取った。
「貰った!!」
下段から切り上げるようにレヴァを振り抜くと、超巨大バリーズの腹ビレから胸ビレへ、そして最後には頭のてっぺんまで、ぴっと一本の線が入った。その直後、奴の頭が支えを失って、ゴトンと地面に落ちた。
「はは、流石レヴァ……切る感覚も何もなかったぞ。」
そして一仕事終えたと言わんばかりにレヴァは元のサイズまで縮んでいく。
「でも……あれだな。できれば内臓を傷つけずにこいつを一刀両断したかったな。」
レヴァで両断した超巨大バリーズは、内臓ごと真っ二つになったため、胃の内容物などが辺りに漏れだしてしまっていたのだ。
そう言うと、まるで反省するようにレヴァはさらに小さい大きさに縮んでいってしまった。
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