現れた川のヌシ
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スネイクフィッシュの骨切りを終えて、塩と胡椒で下味をつけている間に、その辺りにあった枯れ木や落ち葉を集めてフレイムブレスで燃やして、簡易的な焚き木を作った。
「骨切りしたスネイクフィッシュの身に串をうって、遠火でじっくり焼いていこう。」
これで小骨が気にならなくなればいいんだけどなぁ……と、願いながらスネイクフィッシュの身を焼いていると、ハウスキットから誰か出てきた。
「ぱぱ…みつけた。」
「おはようメリッサ、ずいぶん早起きだな。」
眠そうに目をこすりながらこちらに歩いてきたメリッサは、焚き木の横に座っていた俺の膝の上にちょこんと座る。
「パジャマ姿で寒くないか?」
「ぱぱにくっついてるから…だいじょうぶ。」
「でも風邪をひかないようにもう一枚ぐらいは羽織っておこうな。」
メリッサにと、ドーナ達が選んで買ってきた冬物のジャケットを1枚着てもらった。俺にくっついてて、焚き木も近くにあるとはいえ、今の時間帯は少々冷えるからな。
「あったかい…ぱぱありがと。」
「いいんだよ。」
「あとね…ぱぱそのつりざお…なにかいるよ?」
「え?」
チラリと釣り竿の方に目をやるが、さっきエサを放り込んだ時と何も変わっていない。大物がかかっていたら竿が曲がったりすると思うんだけどな。
「何もかかってないように見えるけど……。」
試しに竿を手前にグイっと引いてみると、急に俺の体ごと持っていかれそうなほど強い力を感じた。
「おっ、おぉっ!?とんでもなく力が強いな。」
「ぱぱ…がんばって!」
「もちろんだ!!」
負けじと俺もこちらへと引く力を強めると、どうやら俺の方が力は強いらしく徐々にこちらへと引き寄せることができている。
「さぁて、いったい何がかかってる。もうすぐ見えてくるぞ。」
「たのしみ。」
水面に巨大な魚影が映ると同時、その魚影が眩いほどの光を放ち始めた。
「なんかヤバい気がする。メリッサ!!マジックバッグの中に隠れてるんだ!!」
俺の感がこれは危険だと訴えかけてきているので、メリッサには一度マジックバッグの中に隠れてもらった。その直後、水面から雷光が俺に向かって飛んできた。
「雷!?」
その雷はなかなか強く、体中に静電気が走ったような痛みが走った。でもボルトドラゴンの雷ほどじゃないな。
俺には効かなかったもののメリッサに当たっていたら大変なことになっていただろう。マジックバッグの中に隠れてもらって正解だったな。
「メリッサ、大丈夫か?」
そうマジックバッグに向かって問いかけると、メリッサがひょっこりと顔を出して、元気そうに答えてくれた。
「だいじょうぶ。でもぱぱは?」
「俺は大丈夫だよ。まだ危ないかもしれないから、良いって言うまでその中に隠れていてくれ。」
「うん。」
そしてまたスポッとメリッサはマジックバッグの中に入って行く。
「さてと……まさかまさかだ。多分お前がこの川のヌシなんだな?バリーズ。」
水面から顔を出し、バチバチと電気の走るヒゲを揺らしているのは、超巨大な電気ナマズのバリーズだった。
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