朝マズメ
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時刻はもうそろそろ朝マズメと言われる魚が釣れやすいと言われる時間帯が近づいてきた。それに伴ってどんどん魚が釣れ始めては来ているが……釣れるのはバリーズとスネイクフィッシュのみ。
「ふぅ、少し休憩しようかな。」
餌をつけた釣り針を川の中に放り込んで魚が食いつくのを待っている間、俺はその場でさっき釣れたバリーズとスネイクフィッシュをマジックバッグから取り出した。
「バリーズはぬめりと内臓を取っておいて……スネイクフィッシュは、一先ず食べられるのか先に検証だな。」
スネイクフィッシュだけは血に毒があると鑑定の結果にあった。こいつの毒の無毒化を試してみようと思う。
「鰻とかも血に毒があるけど、あれは過熱することで無毒化できるから、まずはそれからだな。」
その場にあった石とかをウォーターブレスでよく洗って即席の台を作り、その上にまな板を置いてスネークフィッシュをまな板にのせた。
「ひとまず背開きにしてみよう。」
表面のぬめりを包丁でこそげ落とし、スネイクフィッシュを背開きにしてみた。いざ背開きにしてみると、見た目は完全に鰻や穴子と変わらないようだ。
「ここで一回表面の血を洗おう。」
弱い出力のウォーターブレスで、スネイクフィッシュの血を綺麗に洗い流し、再びまな板の上に置く。そして改めて観察してみると、細い骨が複雑にたくさん身の中に入っていることに気が付いた。
「なるほど、確かにこれは複雑だし、小骨が多すぎる。」
鰻みたいに蒲焼きにして食べたいところだが、コイツの小骨はなかなか曲者だ。焼く、蒸すという調理法じゃ、口の中に残ったり、のどに刺さってしまう可能性がある。今回は骨切りして骨を細かく切断してみよう。
「こういう繊細な作業をたまにはレヴァでやってみるか。」
マジックバッグからレヴァを取り出してみると、柳刃包丁のような形状と長さに変形した。
「皮一枚を残すような感じで……細かく丁寧に。」
スネイクフィッシュを丁寧に骨切りしていくと、ふと手の感覚にある違和感を感じた。
「…………ん?」
骨を断ち切り、レヴァがスネイクフィッシュの皮と身のギリギリの境目にたどり着くと、ピタリと俺の意思とは関係なくレヴァがその場で動かなくなる。
「まさか……俺が皮を切らないように骨切りするのをサポートしてくれてるのか?」
骨切りは皮まで切ってしまうと、焼いたり調理するときに、崩れたりする原因になったりする。だから皮を切らないギリギリのラインを狙って包丁で切っているのだが……。
「お前、やっぱり凄いんだな。」
そう褒めてあげると、レヴァがキラリと一瞬輝いたような気がした。
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