紅葉風景
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翌朝、キックバトルバードの水炊きを味わい尽くした女性陣は、いつもよりも肌がツヤっとしていたり、リリンやフレイの翼が普段よりテカテカしている……ような気がした。
「よし、みんな馬車に乗ったな。」
マジックバッグにハウスキットをしまって、俺は運転席に座る。
「さ、じゃあグレイス。今日も頼むぞ。一応街が見えたら、そこで休憩を取ろう。」
「了解っす!!」
そして一先ずは、この先にある街を目指して、またグレイスに馬車を引いてもらう。
道中は特に魔物が襲ってくることもなく、すいすいと順調に進んでいくことができ、お昼になる前には向こうの方に街が見えてきた。
「おっ、アレがスクロゥって街だな。」
「なんか美味しいものとかあるっすかね?」
「さぁな。それこそ行ってみないとわからないな。」
だが、あの街の中心を通って大きな川がこちらに流れてきているから、何か川に関係するものとか……そういうのがあればいいな。
「それにしてもこの辺は景色が綺麗だな。周りの木々は紅葉が見ごろで、赤と黄色のグラデーションが美しい。」
周りの景色の紅葉具合は素晴らしく、見ごろを迎えていた。エミルはまだ黄色と緑色が目立つぐらいだったから、気温が低いちいきにやってきたんだなと実感させられる。
「ヒイラギさんは、あんな風に葉っぱが赤くなったりしたら綺麗って思うっすか?」
「ん?あぁ、そうだな。グレイスはそうは思わないか?」
「自分は、あんまりそういう風には思わないっすね~。あ、そろそろ冬眠の時期が近付いてきた~って感じっす。」
「へ?冬眠?」
「普通は自分みたいな魔物は寒くなったら、いっぱいお腹に食べ物を詰め込んで、巣穴の中で落ち葉とか被って暖かくなるまで寝るんすよ。」
「それ、今回の旅にとっては結構響いてくる問題じゃないか?」
「大丈夫っすよ、今回の寒期は冬眠しなくてもヒイラギさんがあったか~い寝床とか、体があったまるご飯を用意してくれるっすから。」
「そっかそっか、なら安心したよ。馬車を引いてくれるグレイスが冬眠なんてしちゃったら、旅なんて続けられないからな。」
だけど念のためこれからは、本当にグレイスが温まれるような料理や環境づくりをしていく必要がありそうだな。グレイスが冬眠っていう習慣を持っているなら、ランもレイもするかもしれないし……。
「あの先の街でもう一回暖かい毛布とか買い足しておこう。」
きっとあそこなら暖かい寝具とか服とかも豊富に揃っているだろう。
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