おすそ分け
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昼食を、食べ終えてからまた釣りを再開すると、どうやら魚の群れがこちらに回ってきたらしく、みんな入れ食い状態になって釣りを楽しんでいた。
先ほどはまだ魚を釣れていなかったフレイや、ザリガニのような小さいエビのようなものしか釣れていなかったリリンにも、なかなか良い釣果が上がっているようだった。
メリッサの釣竿にも休む間もなく魚がかかり続け、気づけば大量の魚がマジックバッグの中に収納されていた。これにみんなが釣った魚を合わせたら、大変なことになりそうだ。
と、そんなことを思っていると、メリッサは何を思ったのか釣竿を畳み始めた。
「ん?もうやめちゃうのか?」
「うん。いっぱい…あのこたちのおかげでつれたから…おすそわけしにいく。」
「そっか、きっと彼らも喜んでくれるさ。」
メリッサの頭を撫でて、釣りをやめてから波が緩やかに押し寄せている浜辺に歩み寄ると、すぐにピコピコと背びれを動かしながらこちらに近づいてきた。
そんな彼らのもとにメリッサは一人で歩み寄っていくと、ブラックフィッシュが一匹ざぶんと顔を出した。
「ん…てつだってくれて…ありがと。」
ブラックフィッシュの頭を撫でながら、メリッサはお礼の言葉を言っていた。
「みんなにおれい…もってきたよ。ならんで?」
するとメリッサの言葉に従順に、ブラックフィッシュたちは海岸に一列に並んで顔を出し、カパッと口を開けて餌をねだる。
「ぱぱもてつだって?」
「わかった。じゃあお腹いっぱいになったら、顔を引っ込めてくれよ?」
俺の言葉に、キュイキュイとブラックフィッシュたちは鳴いて答えてくれた。
「じゃ…いくよ。」
一匹一匹が満足するまで、先程釣れた魚をぽんぽんと口の中へと入れていくと、彼らは美味しそうに魚を頬張っていった。
「こういうことをしてると、水族館の従業員になったみたいだな。」
「すいぞくかん?」
「あぁ、俺が住んでた場所にはお魚を実際に泳いでいる姿が間近で見られる場所があったんだ。」
「いってみたい!」
「はは、そうだな。もしみんなであっちの世界に戻れたら行ってみようか。」
まぁ今のところ向こうの世界に戻る方法なんて全くわからないし、皆目見当もつかない、でもそれは俺が躍起になって探してないだけで、もしかしたらあるのかも……な。
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