腹ペコなレイ
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そして俺とメリッサもまた釣りに行こうと歩みだした時、ある人物がさっきの釣果報告の時にいなかったことに気づいた。
「あれ?そういえば、レイの姿が見えなかったな。どこに行ったんだろ?」
「ぱぱ…あれみて。」
「ん?」
メリッサの指さした方向に目を向けてみるとそこには、何やら煙が立ち上っていた。
「こんな浜辺で煙……火事ってことでもないだろうし、バーベキューかなんかでもしてるのかな?」
「みにいってみる?」
「あぁ、ちょっと行ってみよう。」
煙の立ち昇っていた岩場の向こう側へと足を運んでみると、そこでは巨大な魚が焚き木で丸焼きにされていた。そしてそのすぐそばには、今か今かと涎を垂らして魚に火が入るのを待っているレイの姿があったのだ。
「レイ、こんなところにいたのか。」
「のじゃっ?主か?」
「ついさっきみんなで何が釣れたのか見せあってたんだけど、レイがこなかったからさ、探しに来たんだよ。」
「む、それはすまなかったのじゃ。主に作ってもらったおにぎりでは少々物足りなくての……主にあまり手間はかけたくない故、自分で釣った魚をこうやって焼いておったのじゃ。」
「なるほどな、そういう事だったのか。それはおにぎりを作る数を見誤った俺が悪かったな。」
それにしても……こうやって丸焼きにされている巨大魚を見ると無性にお腹が減ってくるな。そう感じたのは俺だけではないらしく、メリッサのお腹からもくぅ~っと空腹を知らせる可愛らしい悲鳴が鳴った。
「ぱぱ…これみてたらおなかへってきた。」
「俺もちょうどメリッサと同じ気持ちだったよ。じゃあレイの隣で俺たちもご飯を食べさせてもらおうかな。」
砂浜にどっかりと座り込むと、すかさずメリッサが俺の足の上にちょこんと座ってくる。そんな彼女にアルミホイルで包んでおいたおにぎりをマジックバッグから取り出して手渡した。
「ほい、これがメリッサの分だ。3個で足りるかな?」
「ありがとぱぱっ。いただきます。」
「俺もいただきますっと。」
俺とメリッサがおにぎりにかぶりついたのを見ると、レイが我慢できなそうに焼かれていた巨大魚にかぶりつこうとしていた。
「レイ、ちなみにまだそれ生だぞ。」
「なんじゃと!?もう表面はこんなにも美味そうにカリッと焼けておるぞ?」
「火が近いからな。表面だけ炙られてるだけだ。中まで火を通すなら、もうちょっと火から離して、ゆっくり回しながら焼くといい。」
「くっ、料理は難しいのじゃ~。」
結局俺が調理を代わり、遠赤外線の力を使って中までしっかりと火を通した後で、レイが勢いよくそれにかぶりついていた。
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