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転生料理人の異世界探求記(旧)  作者: しゃむしぇる
第5章

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復旧が進む王都

ブックマークやいいね等とても励みになりますのでよろしくお願いいたします。


 エミルでの用事を終えた後、俺は人間の国の王都へと転送の結晶で飛んできた。様子がどうなっているのか……気になったのだ。


「1日時間が過ぎた……っていうのもあるけど、少しだけ片付いたかな。」


 あちこちに散らばっていた魔物の死体は見当たらない。道を塞ぐようにして転がっていた瓦礫も、大半が片付けられているようだ。


「でもまだまだ……完全復旧にはほど遠いな。」


 この惨状が完全に元通りになるには、かなりの時間が要されるだろう。


「城もまだ崩れて露出してる所が、遠くからでも見える。」


 足場がかけられて、城の補修作業は始まっているようだが、あれも元通りになるのはいったいいつになるのか。


 王都の惨状に胸を締め付けられながら、歩いていると……。


「ん?ん!?お前ヒイラギだろ!!」


「え?」


 後ろから大声で呼びかけられて、振り返ってみると革命の時に尽力してくれたバイルが、作業着姿で走ってきていた。


「バイルさん、そんな姿で何してるんですか?」


「決まってんだろ、オレも瓦礫の撤去とか手伝ってんだ。如何せん兵士の人手も足りねぇもんでな。」


「そうだったんですか……。」


「あぁ。っと、それよりも礼の方が先だな。今回も助けられた……感謝する。」


「いえ、やれる事をやっただけです。」


「淡々と言ってくれる。国を救ったんだぞ?もっと誇れ誇れ!!」


 バシン……と俺の背中を叩きながら、バイルは笑う。すると、彼の腹から空腹を知らせる悲鳴が鳴った。


「チッ、動けば腹が減りやがる。困った体だぜ。」


 彼はやれやれと後頭部に手を当てた。すると、ズボンのポケットに手を突っ込んで、乾パンのような物を口の中に放り込んだ。


「昨日からそんな非常食を?」


「ん?あぁ、民には王都に残った食糧を配布しなきゃいけねぇからな。オレ達は、その貴重な食糧を浪費しねぇように、備蓄してあった戦闘糧食を食って、腹を膨らませてんだ。」


「兵士達も……みんなそんな物を?」


「そうだな。」


 今の兵士達の現状に俺は思わず頭を抱えた……。確かにこれは一時的に腹は膨れるかもしれないけど、力仕事をした人には、明らかにエネルギーが足りていない。


「バイルさん、兵士に料理ができる人はどのぐらいいます?」


「あぁ〜……1部隊いたんだが、そいつらは今配給の任についてる。」


「じゃあ未経験でもいいので、2人ぐらい人手を回してほしいんですけど。」


「2人?そんなもんでいいのか?」


「はい、作業の支障にならない人数で大丈夫です。」


「……わかった。すぐに人を回そう。ここで待っててくれ。」


「ありがとうございます。」


 そしてバイルは作業着姿で、何処かへ走って行ってしまった。



この作品に対する感想、意見などなどお待ちしています。こうしたほうがいいんじゃない?とかそういったものは大歓迎です。単に面白くないとかそういった感想は豆腐メンタルの作者が壊れてしまいますので胸の内にとどめていただければ幸いです。

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