エルフのお祭り
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温泉でリフレッシュして、エルフたちが住んでいる集落へと戻ってくると、そこでは何やらエルフたちがワイワイと騒ぎながら、灯篭などを飾り付けて何かの準備を始めていた。その光景を見て、カリンが満足げに言葉を漏らす。
「うむ、祭りの準備は着々と進んでいるようだな。」
「お祭りですか?」
「あぁ、今日は年に一度の収穫祭だ。大地に今年の作物の豊作を感謝し、来年の農作も豊作であることを願う祭りだ。」
「そういうのがあるなら言ってくれればよかったのに、俺の方でも何か出店とかやりますよ?」
「いや、流石に昨日あんなに働き詰めだった社長に、この祭りに参加してくれと頼むのはなかなか……な?」
「何なら今からでも準備しますよ。」
「……ちなみに、興味本位で一つ聞いて起きたのだが、社長は何の出店を考えているのだ?お菓子の出店か?」
「いえ、たこ焼きの出店をしようかなと。ちょうどとんでもない量のタコを入手したもので……。」
すると、たこ焼きというワードにイリスと師匠が目を輝かせて反応した。
「そ、それ私知ってますよ!!日本のお祭りの定番ですよね!?前から食べてみたいと思っていたんです。」
「たこ焼きは私の大好物だぞ。祭りの出店ならば焼きそばも欲しいところだな。」
日本の光景を定期的に覗いていたイリスはたこ焼きに興味津々だし、師匠に至っては日本のお祭りの出店でたこ焼きを爆買いするぐらい、たこ焼きが大好物だ。
「2人がそこまで言うと、こっちまで気になってくるねぇ。」
「ね?どれほど美味しいものなのか気になるわ。」
「食い物の話を聞いていたら、ワシは腹が減ってきたのじゃ。」
「シアもお腹空いた~。」
「自分もっす~。」
温泉に入って、ここまで歩いて戻ってきたからみんなお腹が減ってきたらしいな。
「それじゃあ試食がてら、ちょっとたこ焼きを作ってみようか。」
俺はハウスキットをその場に展開して、みんなで中に入った。そしてコックコートに着替えて、物置部屋へと向かい、たこ焼きには欠かせないあの道具を段ボールから引っ張り出した。
「あったあった。」
俺が働いていた時は、このたこ焼き器の出番は一切無かったし、使うとも思っていなかったが……異世界にきてから、やっとこれにも出番が回ってきた。
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