カリンのおねだり
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そんなハプニングがありながらも、何とか温泉を満喫しつくした俺たちは、足だけを温泉につけながらコーヒー牛乳を味わっていた。
「ぷはっ、日本でも風呂上がりのコーヒー牛乳は最高の組み合わせだった……それがまさかこちらの世界でも味わえるとはな。」
「やっぱり温泉入った後にはこれがないと締まりませんよね。」
「その通りだ。サウナの後の水風呂みたいなものだな。」
そうやって入浴後の一時を楽しんでいると、後ろに手を回しながら、こちらに湯浴み姿のカリンが歩いてきた。
「社長、確かに湯の後に飲むこのこーひー牛乳とやらはこの上ない甘美なものであるが……此方はそれ以上にマンドラアイスクリームの方が甘美であると思うのだが~、どうだろうかな?」
「食べたいなら食べたいって素直に言ってくれれば、すぐに用意しますよ?」
「いや、そういうわけではなくてだな。ただ此方は、こーひー牛乳だけではなく、マンドラアイスクリームも試してみてはどうか……と思っただけなのだ。」
「じゃあ俺が試してみましょうか。」
そして、マジックバッグからマンドラアイスクリームを取り出すと、カリンの目の色が変わった。
「ま、まてまて社長。こ、ここは此方が被検体になるぞ。」
「いやいや、一国の長を被検体になんてできませんよ。」
「ぐぬぬぬ、ご、強情なやつだの。」
カリンが歯痒そうにしていると、マンドラアイスクリームを見て、目を輝かせながらシア達がこちらに駆け寄ってきた。
「お兄さん!!アイス食べたい!!」
「あいす…ほしいっ!まどぅも…いって。」
「ひ、ヒイラギさん。ぼ、僕にもアイス…く、ください。」
「あぁもちろんだ。溢さないように食べるんだぞ~。」
「「「は~い!!」」」
3人にアイスが配られる様子を見て指をくわえていたカリンに、俺はマンドラアイスクリームを差し出した。
「はい、どうぞ。」
「おぉ~っ!!これを待っていたのだ、感謝するぞ社長!!」
まるで子供たちのようにはしゃぎながら、カリンはマンドラアイスクリームを手に走って行った。
「カリンもこういう時は子供っぽいんだよなぁ。」
彼女に聞こえないように小声でそう呟きながら、彼女が子供たちの隣で美味しそうにアイスを頬張る姿を眺めるのだった。
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