深い眠り
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強烈な睡魔に襲われて、意識を攫われてからどれぐらいの時間が経っただろう……。気絶するような睡眠をしていたところ、ゆさゆさと体が揺さぶられた。
「ん……なん、だ?」
「お、目が覚めたか社長。昨日はずいぶんお疲れだったようだな。」
俺の体の上に乗っかっていたのは、カリンだった。前にもこのような景色を見たことがあるな。
「今どのぐらいの時間ですか?」
「もうお昼を回ったぞ。」
「えぇっ!?」
「のわっ!?」
思わず飛び起きると、俺の体の上に跨っていたカリンが転がり落ちてしまう。
「お、落ち着かんか社長……昼を過ぎたとは言え、特に今日は何も起こってはいないのだぞ?」
「い、いや……会社のことが……。」
「それならば心配はいらんぞ?リコが社長の変わりに皆を指揮していたからな。昨日事件に巻き込まれたハリーノ達には休暇をやっていたぞ。」
「そうですか……なら良かった。」
ハリーノ達には、ちゃんとした休暇をあげたかったからな。だいぶ怖い思いをさせてしまったし……。
「それとリコから伝言だ。今日は社長はゆっくり休み、体を癒せ……とのことだ。」
「ははは、リコにそう言われたら従うしかないですね。」
「まぁ、ここ最近社長は働き詰めだったのには間違いないからな。社員のことを考えるのも大事だが、ちゃんと自分のことも労らねばならんぞ?」
「そうですね。」
「……ところで、ナルダのことだが。」
ナルダの話題を切り出すと、カリンが真剣な面持ちになった。
「突然死したんですよね?」
「あぁ、だがその死に方が少し不思議でな。何者かに毒物を盛られたように、口から紫色の泡をブクブクと吹いて死んだのだ。」
「あぁ……その手口だと、どうやったのかはわかりませんが、人間の王都で事件を起こしたあいつだと思います。」
「そうか、その者も死の女神の手先なのか?」
「はい。師匠が言うには、ニールっていう幹部に間違いないみたいです。」
「本当に何にでも絡んでくるな、あの集団は……どうにかして壊滅させてやりたいが。」
ギリリと悔しそうにカリンは歯を食いしばる。
「でも、そのニールが、これ以上死の女神の戦力を削るわけにはいかないって言ってたので……。」
「向こうも追い詰められているやもしれんというわけか。」
「はい。」
「実際それはそうなのだろうな。ナルダも失い、シズハも失った今、奴らも切迫しているのだろう。」
「そうだと良いんですけど……。」
「まぁ、今はそれを考えていても仕方あるまい。兎にも角にも社長は疲れを癒すのだ。わかったな?」
「はい、わかりました。」
そしてカリンはまた一つニコリと微笑んでから、部屋を後にしていった。
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