シンとバフォメットの勝負の行方
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ギガントオクトパスを無力化してマジックバッグに放り込むと、こちらにミースが駆け寄ってきた。
「お見事ですヒイラギさん!!あんなに簡単にギガントオクトパスを倒しちゃうなんて……すごいです!!」
「そんなに褒められるようなことじゃないよ。ただ弱点を知ってただけ。」
「ギガントオクトパスに弱点があったなんて……初めて知りました。」
「俺も効くかどうかわからなかったけど、ちゃんと効いたみたいだったな。……で、ミースが釣ってくれたギガントオクトパスだけど、こいつはどうする?」
「どうするって言いますと?」
「食べるか?」
その問いかけに、ミースは何度も首を横に振った。
「いっ、いえいえっ!!ちょっと私はあんな風にうにょうにょしてるやつは苦手で……ヒイラギさんにあげます。」
「そっか、美味しいと思うんだけど……じゃあありがたく俺がもらっておくよ。ありがとう。」
こいつがあれば……この世界でたこ焼きが作れるはずだ。ジャンボたこ焼きに挑戦してもいいな。グレイスとかが喜びそうだ。
「あ、そういえば……さっきギガントオクトパスって災害指定の魔物だって言ってたよな?」
「はいその通りです。討伐を私がこの目で確認しましたので、後程報酬金を……。」
「その報酬金はいらないよ。」
「えっ、どうしてですか!?」
「だって、俺はこれをミースから買ったんだからな。」
そう言うと、ミースは俺の意図を察したようで苦笑いしながら一つ頷いた。
「あはは、わかりました。それじゃあヒイラギさんのお言葉に甘えさせて頂きますね。」
「あぁそうしてくれ。」
ミースの了承が得られたところで、どうやらバフォメットとシンの方でもようやく決着がついたらしい。
「ぜぇ、ぜぇ……くっ強いのだ。」
ぜぇぜぇと息を切らしているのはシンだった。一方のバフォメットはまだ余力を残しているようで、悠然とシンの前で仁王立ちしている。
「お前もなかなかいい腕をしていたぞ。だが、まだまだ筋肉が足りん。それ故に拳に重さが足りぬな。」
そうアドバイスを投げながら、バフォメットはボディービルダーがとるような筋肉を主張するポーズをとってみせる。
「だが、これで我がお前たちを殺すつもりがないのはよくわかっただろう?」
「……うむ。」
「ではこれで仲直りとしよう。」
そしてバフォメットはシンに握手を求めて手を差し出した。その手をシンは握りながら、決意に満ちた表情でバフォメットへと向かって言う。
「次は負けぬ。」
「クックク、期待して待つぞ。」
二人が和解したところで、俺はミースを連れて二人のもとへと向かった。
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