シン達の傍らで…
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シンとバフォメットが拳を交えている傍らで、俺はミースと一緒に海へ向かって釣り竿を投げこんでいた。
「あ、あのヒイラギさん。本当に大丈夫なんですか?」
「大丈夫だ。あのバフォメットってやつには殺意が無いからな。今だってそうだ、殺意バチバチで戦ってるってよりかは、寧ろ楽しんでる感じが伝わってくる。シンはちょっと違うみたいだけど。」
「そ、そうなんですか……。」
少し心配そうにしているミース。すると、彼女が手にしている釣り竿がぐっと勢い良く引っ張られた。
「わっ!?つ、釣れた!!釣れましたよヒイラギさん!!」
「そのまま引き上げられそうか?」
「んん~~~っ、ぬぐぐぐ……ちょ、ちょっと厳しいかもです。」
ミースがこちらに引っ張るどころか、むしろ少しずつ海の方へと引きずられている。
「じゃあそのまま釣り竿を俺に渡してくれ。」
「は、はいっ。」
ミースから釣り竿を受け取ると、かなり重い手応えが伝わってくる。かなり下半身に力を入れないと海に引きずり込まれてしまいそうだ。
「これは大物だな……フンッ!!」
引き込まれる力に抗って、俺もこの釣り竿の先にいる何かを引き上げようと力を籠める。すると、どうやら俺の力の方が勝っているらしく、徐々にこちらへ引き寄せてこれた。
「よし、こっちに引き寄せてこれてるぞ。」
引っ張って引っ張って、やっと海面に大きな影が現れたかと思えば、大きな水しぶきをあげて釣り針に引っかかっていた獲物が姿を現した。
「こいつは……デカい蛸かっ!!」
「ぎ、ギガントオクトパスですよヒイラギさん!!災害指定の魔物です!!」
「災害指定の魔物だか何だか知らないが……お前は食えそうだな!!ミース、下がっててくれ。」
ギガントオクトパスは人間を軽く押しつぶせそうなほどに大きく大質量な足で、俺のことを押しつぶそうとしてくる。でも自分から近づいてきてくれるなら、こっちとしても好都合だ。
「よっし、行くぞ。」
振り下ろされてくる巨大な足を避け、地面を蹴ってギガントオクトパスの顔の目の前に急接近する。そして両手にサンダーブレスを纏わせて、ギガントオクトパスの目と目の間に両手を突き刺した。
「もう少し深いか。」
暴れるギガントオクトパスにしがみつきながら、さらに深く両手を突き刺すと、プツン……と何かが切れる音と共に一気にギガントオクトパスの色が抜けていく。
「良しこれでオッケーだ。」
一度絞めたものの、まだ足がぴくぴくと動いているのは流石の生命力だな。その後ブリザードブレスでギガントオクトパスをかっちり凍らせて、マジックバッグに放り込んだ。
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