グリフォンの剥製完成
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グリフォンの肉をジルから受け取って、再び剥製を作っている解体場へと足を運ぶと、こちらにシンが駆け寄ってきた。
「ヒイラギ!!…………む?この匂いは……。」
俺の近くに駆け寄ったシンは、何かの匂いを感じ取ったらしく、しきりに俺の周りを嗅ぎ回る。
「色々な肉を焼いたような匂いが、ヒイラギとジルから漂っているぞ。」
「あぁ、ついさっきグリフォンの肉を焼いて食べてきたんだ。」
「なんと!?グリフォンの肉は食えるのか!?」
「噛む度に色んな肉のうまみが一度に味わえて、美味しかったぞ。」
味の感想を伝えると、シンの口から今にもヨダレが垂れそうになっていた。
「シン、ヨダレ垂れそうになってるぞ。」
「はっ!?わ、我としたことが……美味そうな話を聞いて食欲が掻き立てられてしまった。」
シンはすぐに腕で口を拭おうとしたが、チラリとミースの方に視線を向けると、胸ポケットからハンカチを取り出してそれで口元を拭った。
「これで良しだ。」
また身なりを整えると、シンはミースのところへと戻っていった。
「恋心一つでこうも人って変わるのか。」
「ほっほっほ、ヒイラギ様。オスとは元来そういう生き物でございますよ。意中の相手に好かれるためならば、自分の性格をも変えてしまう……そんな生き物でございます。」
「そうなのかな。」
そしてジルとともに、少し遠目から様子を見守っていると、グリズが剥製の最後の仕上げを終えて、こちらに声をかけてきた。
「ふぃ〜、待たせたな勇者様!!グリフォンの剥製が完成したぜ!!我ながら渾身の出来だ。」
「お疲れさん、いつもありがとな。」
グリズ達にお礼を言ってから、俺はグリフォンの剥製を間近で眺めるために近づいた。
「うん、本当に生きてるみたいな躍動感のある剥製だな。」
「だろ?なかなかの傑作だと思うぜ。……ただ、かなりのデカさになっちまったから、飾る場所がちょっとな。」
「それについては見当がついてるから大丈夫だ。」
そして今度はミースに話しかけた。
「ミース、このグリフォンの剥製をギルドに飾ってくれないかな?」
「えっ良いんですか!?」
「あぁ、構わない。あいにく俺が受け取っても飾る場所がないからな。」
「ありがとうございます!!」
かくして、グリフォンの剥製はミースがギルド長を務める、エミルのギルドに飾られることになったのだった。
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