店舗営業を目指して
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その後、ミースはまた今日もグリフォンの解体を見学しに行くと言って、魔物肉専門店の方へと向かって駆けて行ってしまう。すると、それにシンも一緒になってついて行ってしまった。
「行ってしもうたな。今のシン坊の目には、あの人間の女子しか映っていないらしいのぉ。」
ミースの後を追いかけて行ってしまったシンのことを見送ったミクモが、思わず苦笑いを浮かべた。
「まぁでも初恋ってそんなもんじゃないのか?」
「そうかのぉ、そんなものとうの昔に忘れてしまったのじゃ。」
「ってか、シン行っちゃったけど……不動産の件大丈夫なのか?」
「心配無用じゃ。」
そしてミクモは王宮の中に足を踏み入れて、近くにいたメイドに声をかけると、とある人物の呼び出しを行った。すると間もなくして、見覚えのある羊の獣人がこちらに息を切らしながら走ってきた。
「よ、ようこそいらっしゃいましたミクモ様。」
「うむ、急に訪ねてきてすまなかったのじゃメーネル。」
「わ、私に御用という事でしたが……どうかしましたでしょうか?」
「実はな、ちと広い物件を買おうと思っているのじゃ。」
「不動産のお話でございますね。」
「うむ、その辺の輩に話しても埒が明かんと思ってのぉ。」
「なるほど、お話はわかりました。では詳しいことは中で……。」
メーネルに王宮の中へと通されると、豪華な応接室へと案内された。そこで彼は分厚いファイルを開いて、こちらに見せてくれた。
「現在、この王都で売りに出されている物件の一覧が、こちらに全て記載されています。ここからミクモ様の要望に沿った物件を見つけていきたいのですが……広い以外に何か要望はございますか?」
「広い厨房のある所が良いな。それか一階、二階にそれぞれ厨房のある物件が良い。」
「なるほど……。」
ミクモの要望を聞いて、メーネルがファイルから条件に合った物件が書いてある紙を取り外していく。
「で、尚且つ居住区からあまり離れていない場所。……お主、他に何か要望はあるか?」
「今のミクモの要望に一つだけ追加で、とにかく清潔な場所で頼む。」
「かしこまりました。少々お待ちください。」
飲食業をやる上で、清潔さというのは安全性に直結する。できれば虫一匹も住み着いていないような所がいいな。
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