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転生料理人の異世界探求記(旧)  作者: しゃむしぇる
第5章

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良い相談相手

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 師匠に言われた通り、少し落ち着きを取り戻すために、俺は一人ハウスキットの中でコーヒーを飲んでいた。


「……ふぅ。」


 熱いコーヒーを飲んで、一つ大きく息を吐き出すと、神華樹からイリスが姿を現した。


「ヒイラギさん、お疲れ様でした。」


「あぁ、イリスか。」


「神気を使った戦い方……お見事でしたね。」


「俺自身、あんなにナルダに通用するとは思ってなかったよ。」


 俺が一撃を与えた後から、奴はほぼ何も出来ずに沈んだ。魔法が使えないように、絶え間なく攻撃していたのは間違いないが、それでも奴ほどの練度の魔法使いなら、どこかのタイミングで魔法を使うこともできたはず。


「私があのナルダという人間を覗いたとき……魔力の源が、死の女神と繋がっているのが見えました。」


「ナルダを覗いたのか?」


「ついこの前、このエルフの国を襲いに来た時にですけどね。私の予想では、恐らくあのナルダという人物は、死の女神から魔力を借りていたのかもしれません。」


「それってどういうことだ?」


「死の女神から魔力を借りていたからこそ、膨大な魔力で強力な魔法を扱うことができた……と、私はそう考えているんです。だからこそ、ヒイラギさんの神気を体に流し込まれた時は、魔法がうまく扱えなかった。」


「なるほど。そう考えると確かに……そうだったのかも。」


「えぇ、自分自身の魔力で魔法を発動させるのであれば、ナルダという人物ほどの魔法使いなら、詠唱も予備動作もなしで魔法を使えたでしょうから。」


「そうか。」


 となると、神気闘法はナルダに対して特攻だったというわけだ。それなら納得だな。


「死の女神側も、ヒイラギさんが神気を自由自在に扱えるなんて、思ってもいなかったんだ思います。」


「だからこそ油断した……か。」


「はい。でもこれであちらもヒイラギさんのことを、かなり警戒するでしょう。そう簡単に手を出してこれないはずです。」


「でも、自分達の幹部が囚われたってなれば、躍起になって取り戻しに来るんじゃ?」


「……どうでしょう。そこまで彼女の考えを読むことはできませんが、あまり危険なことに挑まないような気もします。」


「未来が見えるスキルがあればな。こういう時に便利なんだが……。」


 思わず、俺はそんな事を呟いてしまった。すると、イリスがクスリと笑う。


「ふふ、そんな事が出来たら、女神以上の存在になっちゃいますよ。それに、そんな事が出来てしまったら、普段の生活が面白くなくなっちゃいます。」


「それはそうかもな。」


 そして少しイリスと会話をした後、俺はユリやアンネ達の避難先だった獣人の国へと向かうのだった。



この作品に対する感想、意見などなどお待ちしています。こうしたほうがいいんじゃない?とかそういったものは大歓迎です。単に面白くないとかそういった感想は豆腐メンタルの作者が壊れてしまいますので胸の内にとどめていただければ幸いです。

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