名前の真意
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エミルの街へとやって来た俺とウォータードラゴンは、まっすぐにギルドを目指して歩いていた。その途中、俺はあることを思い出して彼女に問いかけてみた。
「あ、そういえば……さっきの大食い大会で司会の人にベールって呼ばれてなかったか?ドラゴンが種族名じゃなくて、名前で呼ばれてるってことはもしかして……?」
「残念ながら人間さんの思ってるように、ツガイが出来たわけじゃないんですよねぇ〜。」
少ししょんぼりとしながら彼女は言った。
「ってことはどういうことなんだ?」
「どの大食い大会に参加するにも、名前が必要だったんですよぉ。なので、咄嗟に思いついたベールって名前を使ってるんです〜。」
「はは〜ん、なるほどな。ま、名前がないと色々不便だからな。ギルドに登録するのにも名前は必要だし。」
一つの謎が解けたところで、俺達はギルドの前にたどり着いた。
「さて、ミースはいるかな。」
ギルドの中に入ると、どうやらミースはお昼休憩をしていたようで、酒場で大量の肉とパンを頬張っていた。
「んっ!!んっぐ、ぷはっ……こんにちはヒイラギさん。」
「邪魔して悪かったなミース。」
「いえいえ、大丈夫ですよ。今日はまたどうしました?」
「実はギルドに登録したいって友人がいてさ。」
「なるほどなるほど。どちらの方でしょうか?」
「この人なんだけど……っていない!?」
隣りにいるはずのウォータードラゴンが、いつの間にやらいなくなっていた。あたりを見渡してみると、酒場のマスターのところで、何か注文をしている彼女を発見する。
「ま、また何か食べるつもりなのか。」
思わず呆れていると、そんな彼女へミースも目を向け、何やら目を細めた。
「ん〜?あの人はもしかして……。」
そして注文を終えたウォータードラゴンが、こちらへと上機嫌で戻ってくると、ミースを見て何かに気づいたようだ。
「あ!!あなたはこの前の大食い大会に出場してた人ですねぇ〜?」
「やっぱり!!大食い女王のベールさん!!」
「へ?ふ、二人は……知り合いなのか?」
話を聞けばどうやらついこの前、この街で開催された大食い大会で最後の最後まで、ウォータードラゴンに食らいついていったのがミースだったのだとか……。
まさかミースもそういう大会に出場してたなんて驚きだな。
でもまぁ、二人も顔見知りみたいだし、この分ならギルドに登録するのもスムーズに済みそうだ。
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