ぶっちぎりの優勝
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ウォータードラゴンはかなり遅れて大食い大会に参戦したが、ハッキリ言って彼女の食べる速度は異常だった。大会に参加している参加者が料理を一つ完食する間に、彼女は五回ものおかわりをお願いしていたのだ。
そしてあっという間に参加者の中で一位だった男の完食数に追いつくと、簡単に追い越してしまった。それだけにとどまらず、彼女はそこからさらに食べるペースを上げて誰も追いつけないほどのぶっちぎりな記録を打ち立ててしまった。
「ごちそうさまでしたぁ~。」
他の参加者の人達がぐったりとしている中、彼女だけは笑顔で大会を終えた。彼女は大会の優勝賞金を受け取ると、スキップしながらこちらにやってきた。
「優勝しましたぁ~♪」
「まったく、ホントにすごい奴だよ。」
「もうちょっと時間があれば、もっと食べられたんですけどねぇ~。残念です~。」
「あんだけ食べてまだ胃袋に空きがあるのか……。」
胃袋が無尽蔵なのか、それとも消化のスピードが異常なのか……。どちらにせよ彼女がこれからも大食い大会に参加し続ける限り王座に君臨し続けるだろう。
「ちなみに優勝賞金はいくらぐらいなんだ?」
「えっとぉ~今回は金貨20枚ですねぇ~。」
「い、一回でそんなに稼げるのか。」
「でもすぐに無くなっちゃうんですよねぇ。」
「それは食いすぎなんだよ。」
「だからもっと稼ぎのいいことを何か見つけないとぉ~って、探してるんですよぉ。」
「稼ぎのいい仕事かぁ、難しい話だな。一攫千金を狙うならギルドで依頼を受けたりするのもありだと思うけど。」
「それってどのぐらい稼げますぅ?」
「う~ん、依頼にもよるけど俺は白金貨30枚とか稼いだことはあるぞ。」
確か初めてバフォメットがいるダンジョンを攻略したときにもらった報酬が、そのぐらいだったような気がする。
「えぇっ!?そんなにたくさんもらえるんですかぁ!?」
「あぁ、あの時はまぁ難しい依頼だったってのもあるんだけど。」
「でもその難しさに見合った報酬がもらえるならやりたいですよぉ~。」
「ん~、それじゃあ一回知り合いのギルドに行って軽く依頼でも見てみるか?」
「ぜひお願いしたいですよぉ!!」
「わかった。じゃあ一回人間の国まで飛んでいこう。」
「背中に乗せましょうかぁ?」
「いや、俺は俺で飛べるから大丈夫。」
そして一度獣人族の王都から離れると、俺と彼女はお互いに翼を生やして人間の国のエミルへと飛んだ。
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