大食い女王ウォータードラゴン
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確保したロックリザードを、ウォータードラゴンと一緒にエノールの工房に運び込んだ。
「おっ、もう戻ってきたのか勇者様……って、んん?そっちの嬢ちゃんは?」
「彼女は俺の知り合いだ。たまたまロクロ山でばったり会ったんだ。」
「ろ、ロクロ山でばったり会ったぁ?あんな場所でよく知り合いと出会ったな。」
「ま、いろいろあるのさ。っと、それよりもミスリルのロックリザードはちゃんと討伐してきたぞ。おまけで二匹余計に狩ってきちゃったけどな。」
「その鉱物もオレがもらっていいのか?」
「構わない。俺達が欲しいのはロックリザードの肉だからな。鉱石は全部もらってくれ。」
「オウ!!じゃあ遠慮なくもらうぜ。」
「ただしちゃんと頼んだやつは作ってくれよ?」
「わかってる。明日の朝にでも受け取りに来てくれ。何個かは仕上げておく。」
「じゃ、頼んだぞ。」
「任せなァッ!!このエノールが最高の一品に仕上げてやるぜ!!」
あとのことはエノールに任せて、俺はウォータードラゴンと彼の工房を後にした。そして少し街中を歩いていると、隣を歩いていた彼女のお腹から空腹を知らせる音が鳴った。
「はぅぁ~、またお腹減ってきちゃいましたぁ~。」
「俺がストックしてた弁当を全部食べつくして尚、まだ腹を減らしてるのか?まったく、その無限大の胃袋には驚きを通り越して、もはや呆れるよ。」
「えへへぇ、そんなに褒められると照れちゃいますねぇ。」
「褒めてないっての。……あ、そういえば、何かの大食い大会に出場する予定だって言ってたよな?」
そう話を切り出すと、彼女は思い出したようにハッと表情を変えた。
「そそ、そうでしたぁ~!!会場っ、会場はぁ~あっちですぅ~!!」
「へ?のわぁっ!?」
彼女は俺の腕をがっと掴むと、市場の方へと勢いよく走りだした。市場に着くと、そこには即席の舞台が作られていて、すでに大食い大会が始まっているようだった。
「はぁっ!?も、もう始まっちゃってましたぁ!!……あ!!あそこの司会の人はっ!!」
誰か知り合いを見つけると、彼女はその人物のもとへ一目散に走って行った。
「ん?あ!!やっと来ましたね大食い女王!!」
「司会さん、今からでも参加できますかぁ?」
「い、今からぁっ!?あ、あと十分しか制限時間が残ってませんけど……この時間じゃいくら大食い女王でも。」
「今からぶっちぎりで一位になったら、盛り上がりますよねぇ?」
「っ、わかりました。……皆さんっ!!新たな挑戦者の登場です!!その胃袋はまさに無限っ、歴代でも類を見ない最強大食い女王……ベールさんの登場です!!」
そして集まっていた観客の盛大な歓声に迎えられながら、ウォータードラゴンは舞台にあがっていった。
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