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転生料理人の異世界探求記(旧)  作者: しゃむしぇる
第5章

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問題の孤児院へ

ブックマークやいいね等とても励みになりますのでよろしくお願いいたします。


 シンと街を歩きながら、孤児院を目指していると、王都のかなり外れの方へと来てしまっていた。


「おっ、やっと見えてきたな。」


 目先に建つ一軒の建物……この外れの方にある建物の中では一番大きい。恐らく、あれが孤児院だな。


「我もこの外れの方まで来たのは久方ぶりであるな。」


「まぁ、シンも国王としての仕事があるだろうし、なかなか来れないのも仕方がないな。」


 そんな話をしながら、孤児院の方へと歩いていると、子供達が楽しそうにはしゃぐ声が聞こえてきた。


「子どもたちの元気そうな声が聞こえてくる。実に良い事だな。」


「あぁ、そうだな。」


 そしてシンと孤児院の門の前にたどり着くと、こちらに気付いた子供達がたくさん集まってくる。


「おうさまだ〜!!」


「勇者さまもいる!!」


「皆、元気で嬉しいぞ。」


 元気な子どもたちに囲まれていると、奥から優しそうな熊の獣人のおばあちゃんがこちらに歩いてきた。


「国王様、勇者様、ようこそいらっしゃいました。」


「む……。」


 その人を見た瞬間にシンは何かに気が付く。


「院長殿、少し痩せた……か?」


 シンのその問いかけに、院長のおばあちゃんは笑みを崩さずに答えた。


「もう私も歳ですから。体が老いたのでしょう。」


「むぅ……そうか。」


「年寄りとはこういうものでございます。それで、本日は勇者様と共に何の御用ですか?」


「いや皆が元気に暮らしているか、ふと気になったものでな。」


「それはそれは、ありがとうございます。どうぞ子供達の元気な姿を、ご覧になって行ってくださいな。」


「うむ、そうさせてもらうぞ。……っとそうだそうだ、これを後で子供達と一緒に食べてくれ。」


 そしてシンは、彼女に俺の店で販売しているお菓子の詰め合わせを手渡した。


「まぁ!!ありがとうございます。子供達みんなこのお菓子大好きなんです。……良ければ国王様が子供達に配って下さいませんか?」


「我がか?」


「そのほうがきっと子供達も喜ぶと思うんです。」


「そういうものか、では我が配ってこよう!!」


 すると、シンは子供達が集まっている所へとお菓子を片手に走って行った。俺がそれを見送っていると、院長がこちらを向く。


「良ければ勇者様も一緒に……。」


「うん、でもその前に一つだけ。正直に教えてほしいことがあるんだ。」


「なんでしょう?」


「最後にまともなご飯を食べたのはいつだ?」


「……!!」


 彼女の体から見える栄養失調のサイン。シンのことは言葉で上手く躱せたかもしれないけど、俺の目は誤魔化せない。


 嘘か真かを見極めるために、彼女の目の奥を覗き込みながら答えを待っていると、少し間をおいてから答えが返ってきた。


この作品に対する感想、意見などなどお待ちしています。こうしたほうがいいんじゃない?とかそういったものは大歓迎です。単に面白くないとかそういった感想は豆腐メンタルの作者が壊れてしまいますので胸の内にとどめていただければ幸いです。

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