シンを訪ねて
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王宮の前に辿り着くと、どうやって俺がここに来たことを察したのかいつものようにレイラが迎えにやってきてくれた。
「おはようございますヒイラギ様。」
「おはようレイラ。ちょっとシンに相談したいことがあるんだけど、シンに会えないかな。」
「本日はシン様の公務はございませんので、問題ないかと。ご案内いたしましょうか?」
「お願いするよ。」
「かしこまりました。」
そしてレイラの後に続いて、俺はシンの部屋の前へと案内された。
「おはようございますシン様。ヒイラギ様がいらっしゃいました。」
シンの部屋をノックして、レイラがそう語りかけると勢いよく扉が開いてシンが顔を出した。
「ヒイラギが来ただと!?」
顔を出したシンと目が合ったので、軽く手を挙げながら挨拶する。
「シン、おはよう。」
「おぉ!!よく来たなヒイラギッ!!少し待っているのだ!!」
またしても勢いよくシンは部屋の中へと引っ込んでいくと、バタバタと何やら中から物音がし始めた。
「シン様、お手伝いいたしましょうか?」
そうレイラがシンに向かって問いかけると、部屋の中からシンの手だけが出てきてちょいちょいと彼女のことを手招きしていた。
「失礼いたします。」
レイラがシンの部屋の中に入ると、ぴたりと音が止み、数分すると身なりがきちっと整ったシンがレイラを連れて部屋の中から出てきた。
「待たせたなヒイラギ。」
「大丈夫だ。」
「それで今日はどんな用でここに来たのだ?」
「ちょっとシンに相談したいことがあってさ。別に他の人に聞かれて困るようなものじゃないから、街中を歩きながら話そう。」
「うむ、承知した。ではレイラ、我はヒイラギと共に少し出てくるぞ。」
「行ってらっしゃいませ。」
レイラに見送られながら、王宮からシンと一緒に出ると、大通りを歩きながら例の孤児院に事について話題を切り出した。
「なぁシン、この王都に孤児院って何か所ある?」
「孤児院は、この王都には一つだけだな。」
「そうか。ならその孤児院のことについて何か知らないか?」
「あの孤児院では、死の女神の軍勢に両親を殺されてしまった子供たちが養われているはずだ。他の孤児院に入りきらない子供も受け入れているという話も聞いたことがある。」
「なるほど。」
今の話を聞く限り、もしかするとその孤児院はパンク気味なのかもしれない。せっかくだし、このままその孤児院に行って現状を見てこようか。
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