5、北海道旅行へ
出発です
「では出発しましょう」
うさこさんは懐中時計を出して見ながら言った。
「ハイ?」
出発は明日でしょう。
自宅に帰って寝坊して、列車に乗り遅れれば「てへ」で終了じゃないですか。
「朝早いと大変ですから東京駅に宿を用意しました」
「はあ、では部屋に荷物を取りに行きますね」
「あ、荷物は用意したあります」
わたしのキャリーバックわたしのとカメラバックとサブバックが用意されている。
カメラバックには愛用のデジタル一眼レフと交換レンズが入っているよ。
勝手に人の部屋に入るなよ!
不法侵入だぞ!
「では、自宅の戸締りを」
「そちらもこちらで終了させておきました。部屋の様子はこちらのタブレットから確認できます。部屋に監視ロボットを置いておきました」
タブレットを渡されてしまったよ。
確かに私の部屋だよ。
あ、ごみ袋は片付いている。
収集の方へ出しておきましたって。
ありがとうございます。
はあ、今日は説明とチケットの受け取りといったよね。
「にげ・・・・・えーと旅行に行かないとしんば・・・・・よくないことがありますよ。私たちも困りますし」
ばれている。
行くのは決定事項?
「あ、これかみ・・・・・スポンサーさんからの餞別です」
財布を渡された。
交通系ICカードと現金。
札入れには一万円札で10万円と5千円札で2万円、千円札で2万円。
500円玉4枚、100円玉10枚、50円玉4枚、10円玉10枚は小銭入れに。
「ICカードには2万円入っています。現金は出納帳をつけてください。領収書はなくても大丈夫です。おおよそで結構です。残りは戻してくださいね」
もう一人旅行社の従業員の女の子がやって来た。
完全にしっぽはリスなんですけど。
「今日の宿泊は東京〇テーションホテルです。ユルリ先生、泊ったことありますよね」
「あ、はい」
「では、参りましょう」
入り口から歩道に出た。