〜catch the my freedom of human foolish〜
ある、異世界からきた者が言った。
風を司る者が言った。
仲間がいない、誰もいない夜空の下で言った。
「人には、自由がない…。
人は、上にいる人には逆らえない―――なぜ、同じ人なのに、そうやって競い合うのだろう。
そして、一人では生きていけない、弱く、悲しい生き物がなぜ、この世界に産まれてきたんだろう―――。」
風を司る者は、そう言って真下にある、夜の黒に少し染まった緑の芝生横になって、空を見上げた。
「人以外の生き物は、困難を乗り越え、一人で強く育つけど、数は少なく、けれども自由。人は、弱く、それでも数が多い。そして、一人では生きていけなく、自由がない―――。」
―――俺は、自由になりたい。風みたいな、鳥のようなどこまでも行ける力が。
そう思いながら彼は眠りについた。
彼の名は、シュウ―――異界から願いを求めて来たもの―――。
同時刻―――内乱が、あったかのように街が荒れているなか、高い建物、時計台だろうか、その一番上に一人の人間と一匹の猫がいた。
その人間と猫は、人間の方は髪が老人のように全て白く、右目には眼帯、眼の色はどうみてもただの人間とは思えない紫色をし、一方猫の方は、ただの白い猫に見えるが、額には十字架のような傷、悪魔のような黒い羽、黒い眼をし、両方ともこの世にいる者たちではないとわかった。
「…人には、自由がない…。そんな気がするのはオレだけか?」
荒れた街を見下ろしながら白い猫は言った。それを聞いた、白髪の人間―――青年は冷静な態度で、言った。
「なんだよ…いきなり……、まぁ、そうだな。昔の俺がそうだったしな。」
「どんな感じなんだ?…俺たちは、そんな感じを味わったことがない。」
猫はそう言うと、羽休めさせ、時計台の塀に降りた。白髪の青年は、猫が降りた同じ塀に肘をついて、ため息をついた。
「…子供には、学校に行く義務…、大人には、生活を守る義務…、この世界には義務ばっか。それに子供は、大人に従わないと…って当たり前か、お前の世界でも。」
「ああ。子供は、よく言って、育てるため、悪く言えば従わないといけないんだがな。」
「…けど、大人はさらに上にいる人間に従わないといけない。…だから、これは上にいる人間に従われて起こった内乱…。」
「…上にいる人間に従われている人間ロボットか…。」
「従わないと、殺される…。人は、人のためじゃなくて、国のために戦っている…、それがこの世界の昔からの起こりだ。」
「昔のものがいい…それが、人間の思考だというなら、やっぱ人間は愚かだな。そのせいで、奴らには自由がない。」
「俺は今は、この生活に自由があって楽しいと思うぜ。…どこまでも行ける。」
「ふっ…オレもだ。」
二人の会話が途切れると、荒れた街は月に照らされ光っていた。
“ウ〜〜〜〜ッ”
また、静かになったと思ったその時、サイレンが聞こえた。それを聞いた、二人は、急に危機感を感じた。
「…そろそろ戻るか。任務は終わってるし。」
「ああ。」
二人の“白”が月に輝いているなか、時計台の塀を背に向け、気がつけば二人はいなくなり、そこには黒い空間だけが残り、そしてそれもすぐに消えた。
―――彼らは、この世界の民ではない。彼らは、この世界から追い出された者たちの一部の人間。そしてその一人は―――陸という“人間”。
違う世界で同じことを考える者たちがいた。人を、見て
「自由」になりたい者たち―――1人は、自由を求めて仲間と共に旅をする者、もう1人は人の苦しみから自由になった者、そして人間を愚かと思うもの―――。
XXX吸血鬼作者の空海陸です。
まだ連載の方が終わってないのに短編を書いた理由は
「どうしても書きたかった!」という事です。
この中に出てくるキャラはサイトの方に書いている方のキャラたちですが、まだ未連載のキャラもでてます。
進んでないキャラを、分からないのに出すなんて…こんな作者で申し訳ないですorz
けどこんな作者でも
「頑張ってください」という言葉をもらえるとそれは作者の唯一勇気の源です。
そして、これからもこんな作者ですがよろしくお願いしますm(‐_‐)m